今年は3月8日、色が舞うホーリー祭を楽しむ豆知識、ヒンドゥー教の神話への思いほか
カラフルなパーティーはホーリー祭の一面にすぎない。前夜のホリカ・ダハン(たき火の夜)には、女悪魔ホリカの死を記念し、ホリカをかたどった人形を燃やす。2日目は有名なランワリ・ホーリーで、人々が色粉を投げ合う。人々は早くから色粉を買い求め、子供たちは興奮しながら標的に当てる練習をしている。
ホーリー祭という名称は、ヒンドゥー教の神話の登場する悪魔ヒラニヤカシプの妹ホリカに由来する。ヒラニヤカシプの息子プラフラーダがヒンドゥー教の神ビシュヌを信仰しており、ヒラニヤカシプは禁じようとしたが、プラフラーダは信仰を続けた。そこで、ヒラニヤカシプはプラフラーダと(火に強い)ホリカに、葬式や処刑で人を燃やす木造建築物の上に座るよう命じた。そして、火をつけると、火に強いはずのホリカが焼け死んでしまい、プラフラーダはビシュヌの加護で奇跡的に生き残った。そのため、ホーリー祭は、善は悪に勝つことを思い出させる役割も果たしている。ヒンドゥー教では、信仰と献身によって、信じる者は誰でも救われるとされている。
ホーリー祭のため、インド中の家庭で愛情を込めてグジヤがつくられる。グジヤはギョーザのようなお菓子で、カルダモンの効いたドライフルーツやナッツが詰まっている。数え切れないほどのバリエーションが存在するが、一般的には、ピスタチオ、カシューナッツ、ココナツ、レーズンなどが入っており、ホリカ・ダハンのときに、みんなでたき火を囲んで食べる。