優秀な研究者獲得へ、九大「破格の好待遇」で准教授採用
第1期公募で最大5人を採用し、5年間で最大計25人の採用を計画。将来的に世界トップレベルになることが見込まれる若手研究者(35歳前後を想定)が対象で、分野や国籍は問わない。任期5年で任期終了後、特に優秀な研究者(各年度最大2人)は高等研究院教授のポストを用意する。
研究に専念できる環境を提供するため、教育や入試などの業務を原則免除することも特徴。国内の大学では若手が独立して研究活動を行うことは難しいという。給与面を他大学と比較しても「画期的な待遇」といい、研究費や研究支援者などの雇用経費の支給もある。九大はこの事業に10年間で20億円超を投入予定。基金も創設し、支援を募っている。第1期の公募は4月14日までで、書類審査、面接で選考する。
九大は論文数の国際比較などにみられる日本の研究力低下を課題とし、世界の研究者と渡り合える人材育成に力を入れている。令和3年には博士人材の育成を通じて研究力向上を図ろうと、博士課程の学生に生活費相当額として月額20万円、研究費を最大50万円支給する事業も始めた。
記者会見で白谷正治・高等研究院長は「研究パフォーマンスの高い若手研究者を獲得して活躍してもらうことが、世界と伍(ご)する研究大学であり続けるための死活問題となっている」と語った。