「外が静かになるまで」 写真家/舞台作家の三野新が十和田市現美「space」に登場
アーティスト
目[mé]が十和田市街の一軒家をホワイトキューブの空間へと改築した作品《space》は、十和田市現代美術館から徒歩約7分の場所に位置しており、2022年7月より同館の「サテライト会場」として運用されている。
美術家の大岩雄典による柿落とし以降、青柳菜摘、ドキュメンタリーアクターである筒 | tsu-tsu
の個展を開催し、若手アーティストによる実験的な表現を紹介してきた。
新たに個展の開催が決まった三野新は、1987年福岡県生まれ。2017年東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。写真家/舞台作家として、土地や風景の歴史と人々の記憶を読み解いて戯曲を立ち上げ、身体的なパフォーマンスや写真・映像と組み合わせて表現してきた。近年の主な展覧会・公演に「クバへ/クバから」(ANB
Tokyo、2021)、『うまく 落ちる練習』(京都芸術センター、2019)など。
以前から日本に駐留する米軍の存在へと関心を寄せ、沖縄を題材とした作品も発表してきた三野は今回、同じく米軍基地を擁する青森県三沢市へのリサーチを実施。展覧会に向けて、リサーチから新たに戯曲をつくり上げ、インスタレーションとして発表する予定だという。
周縁化された場所やものに残る記憶や風景をつなぎ、「ここ」と「あそこ」の中間項を見つけ前景化させる研究・実践を行ってきた三野新。本展ではこうしたテーマ性がどのような題材を通して表出するのか、期待が高まる。