高校生のアイデア満載の手作り「スコアボード」車いすスポーツ専用施設で活用
このスコアボードは縦約90センチ、横約270センチ。3Dプリンターを使って白と黒の細長いパネル計約300枚を作り、パネルの組み合わせでオセロのように裏返すなどしてデジタル風の数字が表現できるようにした。ボード全体はベニヤ板を黒く塗って、ネジなど校内にあった素材も活用した。生徒たちのアイデアをふんだんに盛り込んで、製作費はわずか約1万円で手作り感満載で仕上がった。
きっかけは、市の担当職員から「スコアボードが作れないか」との依頼を受けたこと。市によると、令和2年12月に完成した市立ウィルチェアスポーツコートにはホワイトボードのようなスコアボードが設置されているが、「見えにくい」などの不満が利用者から寄せられており、市は改善策を模索していた。
こうした依頼に、布施工科側は「課題解決授業の課題として考える」と快諾し、機械系や電気系で学ぶ約15人の生徒らが同コートを見学して約3カ月で完成させた。
ラグビー部でも活躍したという3年の江島大梧さん(18)は「遠くから見やすくなるよう工夫し、良いものができた」と満足そうな笑顔を浮かべた。引率した川崎哲也教諭もコート利用者らに「布施工科のモノづくりを見ていただければ」と語った。
一方、寄贈を受けた野田義和市長は「大切に使わせていただく」と感謝。4月以降、モノづくり関係の企業へ就職するという生徒らに「モノづくりが日本の未来をつくる。頑張ってほしい」と激励した。