新選組結成160年、ゆかりの地を巡る京の旅…壬生寺、新徳寺、旧前川邸など特別公開
新選組は、庄内藩(山形)の清河八郎の進言を受けた幕府が、将軍警護の名目で浪士を募集したのが始まり。文久3年(1863年)、壬生に到着した234人の浪士が集まったのが、今回公開される新徳寺の本堂だ。ここで清河は「将軍警護ではなく、尊王攘夷を目指す」と、自身の本心を明かして演説したとされる。
多くは賛同したとされるが、後に路線対立が生まれ、清河は暗殺される。近藤勇や土方歳三らが実権を握り、浪士組は「新選組」となる。
旧前川邸は当時146畳あったという広い屋敷で、約2年間、新選組の屯所となった。土方が長州藩の関係者を拷問し、その自白が池田屋事件の端緒になったと伝わる土蔵「東の蔵」が見学できる。
蔵は、2階の一部から地下の金庫までが吹き抜けのような構造になっており、荷物を昇降する荒縄が 梁(はり)からつるされている。荒縄をつるす器具などが現存しており、ここで拷問が行われたとされる。
ほかにも、新選組が兵法の訓練に利用した壬生寺は、隊士の墓がある壬生塚や、先月立てられた土方の胸像などを公開。隊士が通った旧花街・島原では、太夫らを呼んで宴会を開いた 揚屋(あげや)「 角屋(すみや)」(下京区)、唯一残る置屋兼お茶屋の「 輪違(わちがい)屋」(同)も公開している。
9月30日まで(一部例外あり)、観覧料などが必要。詳細は「京の夏の旅」のホームページで。問い合わせはコールセンター(075・585・5181)。