江戸時代に考えた鳥形飛行機の詳細図公開 発明家・国友一貫斎展
昨年11月の答申では、一貫斎が残した記録や製作物が江戸時代後期の鉄砲史、科学技術史において学術的価値が非常に高いことが評価された。今展ではその一部を中心に約100点を紹介。答申後、初の公開となる。
新出資料の「阿鼻機流大鳥秘術 詳細図」は、一貫斎が構想した鳥型飛行機の詳しい図面。飛行機の形状が頭部、翼部など詳細に描かれ、部材の材質も記されている。弩弓目当(どきゅうめあて)も新出資料で、矢を板バネの力で発射する武器「弩弓」の一部品。実物は見つかっておらず、部品であっても史料価値が高い。
また、一貫斎が日本で初めて製作した反射望遠鏡のうち現存する4基が20年ぶりに勢ぞろいした(前期のみ)。製作順に1~4号機と呼ばれ、それぞれ意匠や構造に違いがある。反射望遠鏡の部品・主鏡は、比較実験で現代の望遠鏡と同等以上の性能が認められているという。後期は3基の展示となる。
ほかにも一貫斎唯一の肖像画とされる「夢鷹図」や懐中筆、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」に登場した本「国友一貫斎が遺したもの」などが並ぶ。
同館の福井智英館長は「一貫斎の技術力の高さ、知識の豊かさに加えて、多くの人との関わりの中で発明品を作っていたことが分かる展示になっている。ものづくりへの情熱を見てもらいたい」と話している。
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。会期中無休。入館料大人410円、小中学生200円。長浜、米原両市の小中学生は無料。同館(0749・63・4611)。【長谷川隆広】