村上海賊ルーツの写真家が作品展 当時に「限りなく近い風景」表現
末長さんは2023年のカンヌ国際映画祭で坂元裕二さんが脚本賞に輝いた「怪物」(是枝裕和監督)のメインポスター撮影でも注目された新進気鋭の写真家。村上海賊の主要家系の一つ・因島村上家が先祖で、高校卒業までを今治市で過ごした。海上での合戦の模様などは祖父母からよく聞いて育ったという。
中学、高校時代から海と空の写真を多く撮ってきた。愛媛、岡山、広島県などの島々を中心に、瀬戸内の撮影は2015年からライフワークとして続けている。年末年始や大型連休を利用し、フィルムサイズの大きい「大判カメラ」で撮影した作品は今回、大型の手すき和紙10枚、印画紙18枚に丁寧にプリントした。山上、船上、時には海賊の城跡に三脚を構え、行き交う船以外の鉄塔や橋などは極力構図から外した。「村上海賊が行き交った時代に、目の前で島を眺めているようなスケール感を大切にした。この景色をぜひ未来にも残していきたい」と話す。
作品展は18日まで(14日休館)。入場無料。【松倉展人】