北朝鮮拉致問題で「中学生サミット」初開催 思いまとめた新啓発動画作成も
若者への問題啓発や理解浸透が目的。全国の都道府県と政令指定都市の教育委員会から推薦された59人が参加した。
午前は、横田めぐみさん(58)=拉致当時(13)=の弟で家族会代表の拓也さん(54)が講演し、「姉はひまわりのような存在で、いなくなったあと、家庭は一気に暗い雰囲気になった」と回顧。「皆さんと同じような年齢のときに北朝鮮に連れ去られ、豊かな将来を奪われた。横田家に起きた悲しい出来事ではなく、もし自分や友達、家族に起きたらという、わがこととして考えてほしい」と訴えた。
生徒らは時折メモを取りながら、真剣な表情で耳を傾けていた。
午後からはグループに分かれ、問題の啓発に向けてどのようなメッセージを伝えたらよいかを議論。絵コンテにまとめ、演劇形式で発表した。拉致問題対策本部は今後、絵コンテの内容を参考に新たな啓発動画の作成を検討する。
サミットの冒頭、拉致問題担当相を兼ねる松野博一官房長官は、「国民が心を一つにして、全被害者の帰国実現への意志を示すことが解決の後押しになる。サミット参加をきっかけに、拉致問題という重大な人権侵害の存在や個人の尊厳について考えてもらいたい」と語った。