戦後の日本画壇に革命 東山魁夷ら作品77点 福田美術館 京都
福田美術館では広島県の美術収集家、山本憲治氏の所蔵品約200点の作品を令和3年12月から所蔵。うち多くを占める明治から昭和時代に活躍した近代日本画作品を展示する。
戦後、伝統的な日本画を否定し、西洋画の影響を受けた作品が増えた日本画壇。戦前の「線」で細かく薄く描く画法から戦後、鮮やかな色で「面」で描く様式へと変化していく様子を作成年順に並んだ絵画から感じることができる。
風景画を得意とした東山魁夷は戦後間もない昭和21年に千葉県君津市の九十九谷を描いた作品「夕月(ゆうげつ)」を発表。幾重に連なりあう谷の様子を細い線で薄く描いている。一方、41年の「盛秋(せいしゅう)」では北海道千歳市にあるオコタンぺ湖の青々とした湖面と山々の黄葉を華美な色で鮮やかに描いており、西洋画の影響を受けた様式の変遷がうかがえる。
学芸員の森田佑弥さん(25)は「新しい日本画を模索した画家たちの斬新な作品を楽しんでもらえたら」と話している。
午前10時~午後5時(午後4時半最終受け付け)。3月21日を除く火曜休館。入館料が必要。(木下倫太朗)