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連載:庄司朝美「トビリシより愛を込めて」第3回「トビ」
2022-06-13
連載:庄司朝美「トビリシより愛を込めて」第3回「トビ」

 子犬にはトビと名付けた。トビを見つけたのは寒の戻りで冬のように冷え込む夜だった。借家の前にポッカリとある小さな空き地には、その脇の工事現場の囲いに古い板や石膏ボードなどの瓦礫が立てかけられていた。散歩から戻ってきて、怯えた唸り声が聞こえたので隙間をのぞき込むと、真っ黒な塊がモゾモゾ動いている。冷蔵庫からチーズやパンを持ってきて隙間に投げ込んでみたけど食べない。真夜中も過ぎて寒さは増すいっぽうで、寝る支度をしてベッドに入った。しばらく天井を見つめていたけれど、窓の外からは通行人の足音に怯えて吠えかかる声が続いていて、ぬくぬくと布団の中にいることができなくなる。外へ出てもう一度隙間を覗くと、先ほどよりもさらに隙間の奥へと後退している。そうすると瓦礫の切れ目からお尻が丸見えになった。相変わらず唸り声はするけど、茶色くてふわふわのお尻と、長い尻尾がその間に丸め込まれているのが見えて、思わず顔がほころぶ。瓦礫を動かして鼻のあたりに手の甲を差し出すと、少し甘えてきたので引っ張り出してみた。街灯の明かりに照らされてみると、大きなネズミのような形をしていた。家に帰ると沼さんが浴槽にお湯を張っている。沼さんは13年来のパートナーであり、この国での1年間の滞在について来てくれた人なので、まあ、何も言わなくても分かっていた。洗ってみると茶色ではなくて黒い犬だった。抱いているとものすごく暖かい。ジョージア語で暖かいはトゥビリ、少し短くしてトビと呼ぶことにした。トビリシは温泉が湧き出る土地で、そのために暖かいという意味から名付けられたと言われている。トビリシのトビ、私たちの首都、トビを中心に生活が回り始めた。それまでは外国人、観光客としてこの国の周縁を生きていたけれど、トビを介して少しだけその内側へと招かれたように思う。


 トビはとても賢い。それはにわかに芽生えた親心のせいだけではないと思う。賢さの質が違うのだ。躾られて人間の生活に沿うように飼われているのとは違って、経験則によって自分でその振る舞いを決めているような、そんな野良犬たちのような賢さがある。そんな娘なので、実は犬を飼ってはいけない家ではあったけれど、転居の日まで密やかな共同生活を続けることができたのだった。そして1年という期限付の滞在であるから、当然その先のことを考える。調べてみると少々煩雑で気を遣う書類仕事があるけれど、やれそうだという結論でトビを日本に連れ帰ることにした。


 ジョージアは北海道ほどの大きさの、けして大きな国とは言えないが、山あいの国だからだろうか、地方ごとでその様態はかなり違っているという。少し遠出をすることにした。トビリシから西へ4時間ほど車で走ると、イメレティ州の中心都市、クタイシというジョージア第3の都市がある。近郊にいくつか訪ねたい場所があって、トビを膝に乗せて向かうことにした。


 ちょうど梅雨のような時期で、バスは満席ではあったが冷たい雨がしとしと降るせいだろうか、皆静かだった。バスに揺られていると、ゴリという町の看板を見つける。Tamarさんの故郷だなあと、冷たく結露したガラスにおでこを押し付けてその様子を確かめようとするけれど、霧に阻まれた。


 ゴリはスターリン生誕の地でもある。世界的には悪党として名高いが、一部の人の間ではいまでもある種の英雄としてカリスマ性を発揮しているという。先日、ロシア帝政期にスターリンが共産主義の言論活動として、地下の印刷所で隠れて新聞を制作していたという、トビリシのUnderground
Printing House
Museumを訪れた。その際、案内人のヨセフさんは、明らかにスターリンやレーニンを英雄として尊い人だと考えている様子だった。それとは別の話だが、さらに興味深いことに、博物館に置かれたノートにはたくさんの中国語で書かれたメッセージがあった。中国では、その博物館のことを社会主義教育の一環として学校でも教えているそうで、コロナ禍前には集団で観光客が来ていたという。「共産主義」がいまだアクチュアルな思想として息づいている様子にはハッとするものがあった。カッコ付きなのは、そこには社会主義的世界を望むというよりも、ノスタルジーやマッチョな英雄を求める心のようなもののほうが色濃く見えたからだ。


 バスはさらに走る。突如として漢字に出くわす。どうやら中国建築という中国の国有企業が道路か鉄道をつくっている建設現場だという。数十キロにも及ぶだろうか、巨大な漢字入りの看板が続き、アジア人の作業員もたくさん見えた。思わぬところで中国に出くわした気になるが、ああ、これが「一帯一路」の一端なのか、と気づく。その言葉が物質を伴って目の前にあると、その構想の巨大さが体感される。中国は新シルクロード・プロジェクトとして、ジョージアと巨額の経済協定を結んでいるという。


 トビが鳴き始めた。古いバスはガタガタと揺れて軋んでいる。車酔いだろうか、しきりと欠伸をしてそわそわ落ち着かない。水を飲ませて、背中をさすってなだめすかしているうちに、ようやくクタイシに到着した。痺れたお尻をゲンコツでぽこぽこ叩きながら下車して、さらにタクシーで丘の上の宿へ向かう。


 宿の女将のMakoさんがまた強烈な人だった。南イタリアにしばらく住んでいたそうで、英語はあまり得意ではないが、ジョージア語に加えて伊、仏、露語を操る。イタリアとはいえ、当然だけど南と北ではとても違う。なんにでも全力で、つねに喋り続けるナポリ人の友だちと重なるところが多くて、妙に懐かしい気持ちになった。沼さんは簡単な会話であればイタリア語を話すので、彼女の情熱は自然と沼さんが引き受けることになる。初めはそれで少々げっそりしていた。


 宿では毎日簡単な朝食が出る。そしてそこに宿泊する他のゲストとともに食事をとる。最初の朝は同じ年代の女性が一人だった。見ず知らずの他人と起き抜けに食事をとるのは少し緊張するから話しかけてみると、仕事で来ているという。会話の糸口としてどこから来たのかと尋ねる。初めはキプロスから来たと言って、それからとても言いにくそうにモスクワの出身だと言う。それを聞いて、ぎくりとした。以前にもそんなことがあった。その人はロシア人だと言った後に「I’m
Sorry」と小さく口にしていて、そんなふうに自分の出自の後に謝罪をつけなければならない彼らの状況に腹が立ったのだった。


 それから毎日、様々な国からの旅行者と朝食をとった。ある朝、共用のリビングのソファに年配の女性二人が横になっていて、とても疲れた顔をしていた。一晩そこで過ごしたようだが、あまり眠れなかったのだと思う。Makoさんの話によると、彼女たちはドンバスから逃れてトルコ経由でクタイシに来たウクライナ難民だという。翌朝、彼女たちと前夜到着したロシア人のエンジニアカップル、そして私と沼さんの6人で食卓を囲んだ。いつものようにあれこれと食事の世話をしながら途切れなく喋るMakoさんは、ロシア語で話している。手づくりのプルーンジャムや蜂蜜のこと、それからもう少し複雑な何か。ときどき、ロシア人のカップルが英語に翻訳してくれて、会話に加えてもらう。みんな穏やかに話していて、同じ屋根の下で眠ったからなのか、朝食という無防備な席では不思議と家族の集いのようにも思える。食卓には蕎麦の実のおかゆがのっていた。

[写真キャプション]
01:庄司朝美「Daily Drawing」より、2022年、窓に油彩
02:ギャラリーのトビ
03:マルシュルートカと呼ばれる乗合バス。短距離、長距離とあるが、国内のほとんどの土地はこのバスで行くことができる。近隣諸国への便もある
04:Underground Printing House
Museumにて。地下の隠し部屋で実際に使われていたプレス機を前に説明するヨセフさん。スターリンたちは『ブルゾラ』という新聞をジョージア語、ロシア語に加えアルメニア語で印刷していた
05:Makoさんのゲストハウスの近くにあるバグラティ大聖堂。歌声に導かれて本堂の裏手へ回ると、屋根のない聖堂では雨のなか礼拝が行われていた
撮影=筆者

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/cdeb122a9cb79c840a5348b77bfd428b36d1e6cc

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