• Outils en Ligne
  • - Calculatrices
    • Compteur de Caractères
  • - Téléchargement
    • Téléchargement TikTok
    • Téléchargement Douyin
  • - Outils Web
    • BASE64
    • Base64 vers image
    • Image vers Base64
    • Encodage URL
    • JavaScript
    • Timestamp
    • Convertisseur Unicode
    • Formatage JSON
    • Modifier l’Extension
    • Créer une Liste
    • Optimiseur CSS
  • - Outils de Chiffrement
    • Chiffrement MD5
    • Générateur Aléatoire
  • - Outils d’Image
    • Compression d’Images
    • Générateur de QR Code
    • Lecteur de QR Code
    • Prévisualisation de Fond
    • EXIF d’image
  • - Fiches d'information
    • Hérédité du Groupe Sanguin
    • Tailles Vêtements
    • app.tool_clock
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
父の愛した赤提灯――「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(63)
2022-08-25
父の愛した赤提灯――「ショート・ショート」(掌小説)こころざしの譜(63)

 お次の方どうぞ、という声で診察室に入るとムッと甘ったるい香りが鼻をついた。
「やあ、君か。久しぶり、見違えたよ。乾杯だ」赤ら顔の医者は疲れた笑みで、隠してあった一升瓶を取り出すとコップになみなみとついだ。
「あなた、だめよ。お仕事中でしょう」
 人体模型の陰から奥さんらしい眼鏡をかけた看護師がとがった声を発したが医者は一向に気にする風がない。
「お父さん、亡くなったってね」どんより濁った眼には目やにがたまり、豹のようにしなやかだった体も薄汚れた白衣の下で醜く緩んでいる。
 父は若い頃、農閑期に牛に荷車を引かせて運送業を営んでいた。足しげく通っていたのが、農協横の「鳥永」という焼き鳥の屋台だった。女将の良枝とはどういう関係だったのか知らないが、母が時々怒鳴り込んでいたおぼろな記憶がある。良枝親子は城跡の向こう、ドブ川沿いのじめじめした窪地に住んでいた。父の言いつけで、狭い路地の奥にあるあばら家を訪ね米と引き換えにキムチや豚足をもらってきたものである。
ふて寝している兄の横で悲しそうな目を向けてきたのが祐久だった。私よりいくらか年上で頭が切れ運動神経も抜群だった。
 ある日、空き地で野球をしていると窪地の子どもたちが押しかけてきた。強引に仲間に入って遊んでいたが、何か気に障ることでもあったのか祐久の兄が暴れだし何人かをバットで殴りつけた。そこへクリーニング屋のオヤジが通りかかった。ケンカを止めるかと思いきや、自分の子だけ自転車に乗せるとそそくさと帰って行った。
 乱闘になり、まさに私がバットを振り下ろされようとした瞬間、「やめろ、兄貴。いいんだ、そいつは」と声がとんだ。祐久だった。兄は怪訝な顔をしたが、バットを放り投げるとクルリと背を向けた。
 中学生になった私は勉強が苦手で特に数学の成績が悪かった。見かねた父が「兄貴みたいにやさしい家庭教師を雇ってやったぞ」とニヤニヤしながら告げた。冗談だろうと思っていると、本当に家庭教師が現れた。祐久だった。地元の名門校の高校生になっていた寡黙なこの俊英は教え方はうまくなかったが、自分で難問もすらすらと解いてみせた。
 ある日、野良猫が部屋に迷い込んできた。家庭教師はやさしい声でポケットのカステラを食べさせ、こちらを向いて照れ笑いをした。彼の笑った顔を見たのはあれが初めてではなかったか。
 間もなくして父が声をひそめて打ち明けた。祐久が東京の大学の医学部に合格したという。友達の車で上京するが、我が家に荷物を持ってきてここから出発するのだと奇妙な説明をする。きっと私が訝しげな表情を浮かべたのだろう。父が断じた。当たり前じゃないか、まさかあの窪地のボロ家に友達を呼ぶわけにはいかないだろう。わかってやれ。
 その日、母の良枝も私の家にやってきた。息子を固く抱きしめうれしそうに泣いていた。半島から船で日本に渡り、港からここまで歩いてきたの。住むところも食べるものもない中、女手ひとつでふたりの子を育てるのは並大抵の苦労ではなかった。祐久は学資も新聞配達で貯めたわ。やさしくていい子なのよ、そう何度も繰り返すのだった。
 私も東京の大学へ進み中堅商社に就職が内定した。その報告を兼ねて帰省した際、父と屋台で乾杯した。珍しく良枝も一緒に飲んだ。
祐久が駅前に病院を建てたぞ。えらい出世だ。嫁さんが看護師で父親が裕福らしい。ポンと何千万円もの大金を出してくれたそうだ。あいつも頑張ったが、ようやく春が来たというわけだ、なあ良枝、とねぎらった。
 買い物のついでに、開業したという医院を見に行った。木下内科という大きな看板がまぶしかった。父に報告すると、どうだ、立派なものだろう。鉄筋コンクリートだぞと自分のことのようにうれしそうだった。あの人の苗字って木下だったっけと尋ねてみる。
 いや、養子に入ったのさ、ボソッと言う。これで、良枝さんも一安心だね。ああ、赤提灯ともおさらばして楽隠居だ。ただ兄貴がヤクザでな。この前、出入りがあって今刑務所だ。暴れることでしか自分を表現できない男なのさ。それに比べればあいつは幸せだね。ちょっと酒を飲みすぎるから、それが心配だが。
 それから5年。お盆に帰省し風邪をひき、木下内科へ行くことになったのだ。
「お父さん、亡くなったってね」
「ええ、肺がんで」
「お父さんは苦労人だったよね。だからやさしかった。母も俺もよくしてもらったものさ」
「祐久さん、立派な病院でたいしたものじゃないですか。父も喜んでいましたよ」
「俺は何もしちゃいない。かみさんのオヤジが土地成金でね。それだけのことさ」
 医者はグイとコップの酒をあおった。あの悲しい目だった。妻の冷たい声がまた聞こえてきた。
「あなた、いつまで無駄話しているの」
「いや、いいんだ、この人は」
「でも」さらに何か言い募ろうとした、その時だった、祐久の顔色が変わった。
「うるさい」びっくりするほどの大声を上げて立ち上がると手にしていたコップを思いきり投げつけた。それは、ロッカーに当たって砕け散った。しばらくして腰を下ろすとため息をついた。
「最近、考えるんだよ。俺の家族の人生ってどんな意味があったのだろうかって。兄はあんなだろう。母は幸せなのか?俺にももうすぐ赤ん坊が生まれるのだが、その子にうまく説明できるか不安なんだ」
 医者の顔を見ながら、なぜか不思議な懐かしさを感じた。
 翌年の秋のこと、良枝から突然、電話がかかってきた。電話口で押し黙ったままだ。どうしたのと聞いても返事がない。しばらくして
「死んだ、あの子が。祐久が」
「まさか、そんな」
「馬鹿なヤツだよね」
 辛そうに、そうつぶやいた良枝、また屋台を始めたのだろうか。
    (完)


希代 準郎
きだい・じゅんろう
作家。日常に潜む闇と、そこに展開する不安と共感の異境の世界を独自の文体で表現しているショートショートの新たな担い手。この短編小説の連載では、現代の様々な社会的課題に着目、そこにかかわる群像を通して生きる意味、生と死を考える。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/1a6005e53441fa947d91d617cc6d3a0385e7e7aa

Autres Outils
  • Compteur de Caractères Téléchargement TikTok Téléchargement Douyin BASE64 Base64 vers image Image vers Base64 Encodage URL JavaScript Timestamp Convertisseur Unicode Formatage JSON Modifier l’Extension Créer une Liste Optimiseur CSS Chiffrement MD5 Générateur Aléatoire Compression d’Images Générateur de QR Code Lecteur de QR Code Prévisualisation de Fond EXIF d’image Hérédité du Groupe Sanguin Tailles Vêtements app.tool_clock
  • 週末見たい展覧会5選。今週は木下佳通代の個展、テルマエ展、UESHIMA MUSEUMなど。【2024年6月第1週】
    2024-05-29

    被害者「問題解決には程遠い」 旧ジャニーズ被害者らが会見
    2024-05-29

    かど番・藤井聡太、第4局始まる 将棋、叡王戦
    2024-05-30

    ドローンサッカーで世界2位 大阪・星翔高校チーム 「世界でも通用することがわかった」
    2024-05-30

    意思疎通うまくいかず信頼関係失われた
    2024-05-31

    入試問題は白黒です 「わかりやすさ」「カラフル」は逆効果、自分で図を書くべし 桜井信一の攻める中学受験
    2024-05-31

    鎌倉幕府の地頭から海の武士団・松浦党に…古文書群「青方文書」からみる中世の漁業や製塩事情
    2024-06-01

    まだ無名だった作曲家エルガーが、婚約の贈り物として捧げた名曲【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-01

    知られざる作品や作家との巡り合いが生まれる高円寺のギャラリーショップ。
    2024-06-02

    テレ東が警察密着番組の担当者らを懲戒処分
    2024-06-03

    映画「ゴジラ‐1.0」の震電は「コックピットだけ復元」のはずだった…山崎貴監督がエピソード披露
    2024-06-04

    本年入試私立公立とも志願者微減 栄光ゼミナール担当者にきく 埼玉中高入試最新動向
    2024-06-04

    「君たちはどう生きるか」展 第二部 レイアウト編(三鷹の森ジブリ美術館)レポート。絵を描くことの営為、そして苦悩も見せる
    2024-06-04

    akakilikeの新作ダンス公演『希望の家』が松本・東京の2都市で上演へ
    2024-06-04

    お台場エリアを舞台に新芸術祭「東京お台場トリエンナーレ 2025」が誕生
    2024-06-05

    3日間限定発売! 名作パントンチェアが新たな魅力を纏った限定カラーで登場。
    2024-06-05

    書評:「日本美術史」を書き換える100年単位の挑戦。『この国(近代日本)の芸術──〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』
    2024-06-05

    岡田将生の初ブランド「IN MY DEN」始動、第1弾グッズの受注販売がスタート
    2024-06-06

    子供と行きたいおすすめ美術館【東京編】。子連れ、親子でアートを楽しもう!
    2024-06-06

    佐渡金山「情報照会」と勧告 世界遺産登録に可能性残す
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛