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川勝徳重×石岡良治 令和マンガ事情――ジャンプ+、ウェブトゥーン、編集者の役割と新人発掘……
2022-11-13
川勝徳重×石岡良治 令和マンガ事情――ジャンプ+、ウェブトゥーン、編集者の役割と新人発掘……

 一年間、連載「このマンガもすごい!」を担当した石岡良治さんと川勝徳重さん。二人が昨今のマンガ事情を改めて見渡し、注目すべきポイントについて語り合う。
(『中央公論』2022年12月号より抜粋)
――弊誌の連載「このマンガもすごい!」を隔月で1年間担当してくださったお二人は、今日が初対面とうかがいました。


石岡》川勝さんは学習院大学大学院の身体表象文化学専攻のご出身ですよね。あそこはマンガ関係の研究、批評が盛んですが、そこに実作もなさるすごい人がいるということで前からお名前は存じ上げていました。


川勝》石岡さんはポピュラーカルチャーの批評を幅広く手がける論客というイメージでした。対談にあたり石岡さんのデビュー作『視覚文化「超」講義』(フィルムアート社)を読み返してきましたが、19世紀の美術評論家のジョン・ラスキンや、ウィリアム・モリスの名前が出てきて面白かったです。二人とも評論と実作の両方を手がけていて、気になる名前です。


石岡》もともと私の関心は美術批評にあったんですね。実はマンガも十数年買っていなかった時期があるので、丁寧に追ってきたとは到底言えません。買わなかった理由は単純で、部屋が本で埋まってしまったからですが、2年前に引っ越しをして、ようやくマンガのスペースができました。ブランクを取り戻しつつ、現在のマンガにリアルタイムで向き合うようになっています。


――石岡さんは大学でポピュラーカルチャーを講じておられますが、学生たちはマンガを読んでいますか。


石岡》大学ではマンガの授業もやっていますが、学生のニーズとしては、ここ2年くらいのコロナ禍を境として、びっくりするくらいに「少年ジャンプ+」(『週刊少年ジャンプ』〔集英社〕のアプリ及びウェブサイト。以下「ジャンプ+」)一色になりました。

 理由の一つとしては、映像の世界におけるアマゾン・プライム・ビデオやネットフリックスのように、複数の会社をまたぐ配信サービスを出版で作れなかったことがあるのではないかと思います。『少年ジャンプ』と『週刊少年マガジン』(講談社)がコラボレーションした期間限定のウェブサイト「少年ジャンマガ学園」や、小学館と双葉社で同時刊行されている「谷口ジローコレクション」など、ときおりコラボは行われていますが。そうなると結果的に、あらかじめシェアを持っていた「ジャンプ+」がさらに強くなっていく状況になるのではないでしょうか。

 少し前だったら『月刊アフタヌーン』(講談社)主催の新人賞「四季賞」に応募されていたようなマンガが「ジャンプ+」に載っている印象があります。


川勝》「ジャンプ+」はカオスなことになってますね。私の若い頃、マンガ好きは『アフタヌーン』の四季賞に投稿しました。本誌に四季賞入賞作品をまとめた冊子が挟まれていて、それに憧れたものです。でも今の若い子は「ジャンプ+」に投稿するんじゃないかな。


石岡》もう一つ、女性が少女マンガを以前と比べて読まなくなっている傾向もあります。私は1972年生まれで団塊ジュニアに当たるのですが、子どもの頃に読んでいた80年代の『ジャンプ』と言えば、『北斗の拳』なり『魁(さきがけ)!!男塾』なり、非常にマチズモが強い作品が多かった。

『キャプテン翼』や『聖闘士(セイント)星矢』の登場人物に同性愛的な関係を読み込むBL(ボーイズラブ)的な読み方は今でも根強いですが、恋愛ものが主力の少女マンガに関心を持たないタイプの女性は少年マンガを読むようになっており、これが「ジャンプ+」の幅広い人気の一因となっています。


川勝》確かに今は『SPY×FAMILY』など女の子向けの作品も多いですね。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/7574132f925eab7a57458dba054cac80995261ae

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