• オンラインツール
  • - 計算機
    • 文字数カウント
  • - ダウンロード
    • TikTok ダウンロード
    • Douyin ダウンロード
  • - Webツール
    • BASE64
    • Base64→画像
    • 画像→Base64
    • URLエンコード
    • JavaScript
    • タイムスタンプ
    • ユニコード変換
    • JSON整形
    • 拡張子変更
    • リスト作成
    • CSS最適化
  • - 暗号化ツール
    • MD5暗号化
    • ランダムジェネレーター
  • - 画像ツール
    • 画像圧縮
    • QRコードジェネレーター
    • QRコードリーダー
    • 壁紙プレビュー
    • 画像 EXIF
  • - 情報シート
    • 血液型遺伝
    • 服のサイズ
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
新しい人よ眼ざめよ!
2023-05-03
新しい人よ眼ざめよ!

 大江さんの著作をはじめて読んだのは、ちょうど高校に入学したその年、一九八三年に刊行された『新しい人よ眼ざめよ』だった。残念ながら、自分で購入したものではなく、単行本のカバーと新聞の広告に大きく使われたウィリアム・ブレイクの絵、そしてそのタイトルに惹かれて母親が購入したものを、すぐに借りて、一気に読んだのである。

 当時は、文学に関する知識もまったくなく、たとえば文中にイニシャルで登場する、Tさんが武満徹で、Yさんが山口昌男で、などいうことはまったく分からなかった。それどころか、Mさんの「生首」といささかショッキングに記された、そのMさんが三島由紀夫を指すということすら理解しないまま、最後まで読み進めてしまったのだ。

 そんなことで、あの本の面白さが本当に分かるのか、と言われてしまいそうであるが、充分に、否、充分すぎるほどに面白かった。もう少し正確に言い直してみると、「面白い」という感想とは実は根底から異なった、自分は何か凄まじいものを読んでしまったという深い感慨にとらわれた。なによりも、ブレイクの詩篇からとられた各篇のタイトルが異様であり、素晴らしかった。「無垢の歌、経験の歌」「怒りの大気に冷たい嬰児が立ちあがって」「落ちる、落ちる、叫びながら……」「蚤の幽霊」「魂が星のように降って、跗骨のところへ」「鎖につながれたる魂をして」「新しい人よ眼ざめよ」。
 書かれていることをどれほど真に理解できているかは心許なかったが、大江さんが自らの手を用いて行ったブレイクの翻訳に震撼させられた。「冷たい嬰児が憤怒の大気のなかに立つ。かれは叫ぶ」、「六千年の間、幼なくして死んだ子供らが怒り狂う。夥しい数の者らが怒り狂う、期待にみちた大気のなかで、裸で、蒼ざめて立ち、救われようとして」、「落ちる、落ちる、無限空間を、叫び声をあげ、怒り、絶望しながら」。

 障害をもってこの世に生み落とされてしまった息子イーヨーとともに生きていく現実の世界が、時間そのもの、空間そのものを超え出てしまうような神話の世界とダイレクトに、しかもダイナミックにつなぎ合わされている。現在、私が使うことができる言葉で説明するならば、大江さんは他者の言葉を翻訳しながら自己のことを語り、自己の言葉を翻訳しながら他者のことを語っている。「私」を語ることがそのまま新たな「神話」を創出することであり、新たな「神話」を語ることがそのまま「私」を、いまここで、新たに創出していくことである。ブレイクを読むこと、ブレイクを「解釈」(翻訳)することが、「私」を書くこと、「私」と息子との「共生」を書き直すこと、生き直すことにつながっていく。

 読むことは生きることであり、書くこともまた生きることである。「小説」にはこのようなことが実現できるのか。新鮮な驚きを覚えた。「眼ざめよ、おお、新時代の若者らよ!」。この連作短篇集を閉じるための最後の一篇のタイトルとして採用された詩篇を読みながら、直接的には、「二つの脳」をもってこの世に生まれるという「新しい人」でありながら、そのもう一つの脳を切り離すことでしか現実に生きることを許されなかった息子へのエールであると理解しつつも、いまその物語を読み進めているこの「私」に対しても、さらに書物を読み、そして書物を書けというメッセージを送ってくれていると思われてならなかった。私もまた、物語のなかのイーヨーとほぼ同世代であった。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/b8615d4c6d1d3f3411709396dffc92d653aea584

その他のツール
  • 文字数カウント TikTok ダウンロード Douyin ダウンロード BASE64 Base64→画像 画像→Base64 URLエンコード JavaScript タイムスタンプ ユニコード変換 JSON整形 拡張子変更 リスト作成 CSS最適化 MD5暗号化 ランダムジェネレーター 画像圧縮 QRコードジェネレーター QRコードリーダー 壁紙プレビュー 画像 EXIF 血液型遺伝 服のサイズ
  • ジョン・レノンのギター4億5千万円で落札
    2024-05-30

    美術館の裏側を伝える展覧会「鎌倉別館40周年記念 てあて・まもり・のこす 神奈川県立近代美術館の保存修復」レポート
    2024-05-29

    囲碁、一力遼本因坊が初防衛 余正麒破り三冠堅持
    2024-05-30

    ブームなぜ起きた? 東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」展
    2024-05-30

    デザインジャーナリストによる新しいデザイン誌の登場です!
    2024-06-01

    三姉妹が温泉旅行で取っ組み合いの大げんか うっとうしくてめんどうくさい家族愛描く「お母さんが一緒」
    2024-06-02

    大阪はアートとデザインの街となるか? Osaka Art & Design 2024の見どころをレポート
    2024-06-03

    映像化は「作家の意向第一」と小学館が指針
    2024-06-02

    「ロバート」秋山さんが鳥取PR イリュージョニストに扮し
    2024-06-04

    GROUP「島をつくる | Planning Another Island」(マイナビアートスクエア)開幕レポート。高層ビルのなかで建築をコンポストする
    2024-06-05

    社会的関与の芸術。清水穣評 城戸保「駐車空間、文字景、光画」展/野村浩「Painter」展
    2024-06-04

    「KOTARO NUKAGA(天王洲)」が移転し拡張。約386平米の巨大スペースに
    2024-06-05

    「ゲバルト」展が東京日仏学院などで開催。反暴力的反応とその美的様式を探る
    2024-06-05

    今週末に見たい展覧会ベスト13。「令和6年 新指定国宝・重要文化財」展から国立西洋美術館の現代美術展、KYOTOGRAPHIEまで
    2024-06-04

    105歳で死去した画家弥勒祐徳さん おごらず、黙々と、ひたすらに神楽など描く
    2024-06-05

    ご当地体操「いちょう体操」に小学生の指導委員が誕生 「体がのびやかに動く」
    2024-06-06

    安藤忠雄さん設計の美術館名称決まる…香川・直島に2025年オープン
    2024-06-05

    なぜ、いま「先住民の現代アート」なのか? 『美術手帖』2024年7月号は、「先住民の現代アート」特集
    2024-06-06

    ブリン・バン・バン・ボンが1位 ビルボード、上半期人気曲
    2024-06-06

    パートナーとの強い絆から生まれた、ベンジャミン・ブリテンの代表作【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛