• オンラインツール
  • - 計算機
    • 文字数カウント
  • - ダウンロード
    • TikTok ダウンロード
    • Douyin ダウンロード
  • - Webツール
    • BASE64
    • Base64→画像
    • 画像→Base64
    • URLエンコード
    • JavaScript
    • タイムスタンプ
    • ユニコード変換
    • JSON整形
    • 拡張子変更
    • リスト作成
    • CSS最適化
  • - 暗号化ツール
    • MD5暗号化
    • ランダムジェネレーター
  • - 画像ツール
    • 画像圧縮
    • QRコードジェネレーター
    • QRコードリーダー
    • 壁紙プレビュー
  • - 情報シート
    • 血液型遺伝
    • 服のサイズ
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
『招かれた天敵──生物多様性が生んだ夢と罠』千葉 聡著 評者:鶴田想人【新刊この一冊】
2023-06-25
『招かれた天敵──生物多様性が生んだ夢と罠』千葉 聡著 評者:鶴田想人【新刊この一冊】

 本書は壮絶な闘いの記録である。

『歌うカタツムリ』で進化論史を扱った著者は、今作では生態学あるいは応用昆虫学の歴史を繙(ひもと)く。しかしそれが単なる学説史的関心からではないことに、読者はやがて気づかされる。

 テーマは天敵を利用した害虫駆除の手法である「生物的防除」。その古典的成功例としては、19世紀末の米国の農家を悩ませた害虫イセリアカイガラムシの、天敵ベダリアテントウを用いた防除がよく知られている。

 生物的防除は、20世紀米国の生物学者レイチェル・カーソンが『沈黙の春』で農薬による化学的防除に代わる「もうひとつの道」として称揚して以来、「自然のバランス」を巧みに利用した夢の防除法として世界中でもてはやされてきた。しかしそれがもたらしたものは、夢のような話ばかりではなかった。そこには当然、罠もあった。

「夢の天敵」として導入された生物はしばしば新たな害虫となり、駆除の対象となった。さらに悪いことに、そうして「招かれた天敵」が貴重な在来種を食い荒らし、ついには絶滅に追い込むことさえもあった。

 ハワイ固有種のカタツムリ、ハワイマイマイ属の悲劇は、まさに生物的防除の夢が悪夢に転じた失敗の最たるものであった。どこからかハワイに持ち込まれて害虫化した外来種アフリカマイマイを駆逐するために、天敵のカタツムリ、ヤマヒタチオビが導入された。しかしこの天敵はハワイマイマイ属を含む固有種を先に食い荒らし、その少なくとも半分(もしかすると9割!)を絶滅させてしまったという。

 一度害虫化した天敵を抑えることは難しく、失われた固有種とその生態系は二度と戻らない。悪夢は取り返しのつかない結果を生む。最終章で告白されるように、著者自身もかつて小笠原固有のカタツムリの保全に失敗して、そのことを痛いほど思い知らされた。

 それゆえ本書は著者自らの闘いの、そして失敗の記録でもある。しかし敗北の記録ではない。成功よりも失敗の歴史からこそ多くを学び得るという信念が、著者に本書の筆を執らせたからである。闘いはまだ終わっていない。事実、著者は野生下での絶滅前に捕獲して人工繁殖に成功したカタマイマイ類の、小笠原・父島での野生復帰に希望を繋いでいる。ユニークなのはその戦略である。「そのために何をしたらよいか。/まず歴史を知る」。

 自らの失敗を普遍的な失敗の歴史の中に位置づけて、そこから学ぶこと。それは米国の進化生物学者ジャレド・ダイアモンドのいう「自然実験」を思わせる。自然史も含む歴史学は実験室での実験ができない。その代わりに、歴史家は過去全体を「実験室」とし、そこで行われた数々の「実験」から学ぶことができる。

 生物的防除の失敗の背景には、基礎研究を無視した勇み足がなかったか。また、その土地土地の生物進化の歴史の軽視がなかったか。「自然のバランス」という甘い言葉に夢を見すぎてはいなかったか。あるいは化学的防除への反発から、生物的防除を持ち上げすぎてはこなかったか──。本書で辿られる一つ一つの「失敗」が、私たちの未来を占う試金石となるのである。

 レイチェル・カーソンとともに人々の紡いできた、生物的防除の夢と罠。それを公平な眼差しで捉えた本書は、「自然」を愛し、守ろうとする人に、ぜひ読んでほしい一冊である。


(『中央公論』2023年7月号より)


千葉 聡/評者:鶴田想人(東京大学大学院博士後期課程)

【著者】
◆千葉 聡〔ちばさとし〕
1960年生まれ。東北大学東北アジア研究センター教授。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。
専門は進化生物学、生態学。著書に『歌うカタツムリ』(毎日出版文化賞)など。

【評者】
◆鶴田想人〔つるたそうと〕
1989年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程。専門は医学史、博物学史。論文に「ルネサンスのきのこ学」「植物の名を正す」(ともに『ユリイカ』)など。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/253e495c36032d86515f7ef90a4abf8d3c3ccaa8

その他のツール
  • 文字数カウント TikTok ダウンロード Douyin ダウンロード BASE64 Base64→画像 画像→Base64 URLエンコード JavaScript タイムスタンプ ユニコード変換 JSON整形 拡張子変更 リスト作成 CSS最適化 MD5暗号化 ランダムジェネレーター 画像圧縮 QRコードジェネレーター QRコードリーダー 壁紙プレビュー 血液型遺伝 服のサイズ
  • “ひばり”の愛称にふさわしい美しいメロディ。ハイドンの『弦楽四重奏曲第67番』【クラシック今日は何の日?】
    2024-05-30

    かど番・藤井聡太、第4局始まる 将棋、叡王戦
    2024-05-30

    社長「関係者や視聴者不安にさせた」と謝罪
    2024-05-30

    原作者の意向は取り入れられたと日テレ
    2024-05-30

    制作期間「足りていなかった可能性」
    2024-05-31

    将棋叡王戦、藤井が勝ち最終局へ
    2024-05-30

    藤井聡太八冠が勝ち、最終局へ 将棋叡王戦で2勝2敗
    2024-05-31

    【6月1日~2日】週末必見の“アート&デザイン”まとめ!
    2024-06-01

    デザインジャーナリストによる新しいデザイン誌の登場です!
    2024-06-01

    元アシスタントが語る Dr.スランプ「あのキャラ」の誕生秘話
    2024-06-01

    富士山麓のダイナミックな食材を味わう“奥・山梨”のガストロノミー〈Restaurant SAI 燊〉。
    2024-06-01

    レイモンド・ローウィの名言「優れたインダストリアルデザインは、…」【本と名言365】
    2024-06-04

    美術評論家連盟が「ガザ戦争に対する意⾒表明」を公開
    2024-06-04

    お台場エリアを舞台に新芸術祭「東京お台場トリエンナーレ 2025」が誕生
    2024-06-05

    3日間限定発売! 名作パントンチェアが新たな魅力を纏った限定カラーで登場。
    2024-06-05

    美しくて“かわいい”結びの技  1400年の歴史を誇る「水引」の可能性を探って
    2024-06-06

    安藤忠雄さん設計の美術館名称決まる…香川・直島に2025年オープン
    2024-06-05

    藤井、棋聖戦5連覇へ白星発進
    2024-06-06

    ブリン・バン・バン・ボンが1位 ビルボード、上半期人気曲
    2024-06-06

    「さどの島銀河芸術祭2024」が開催。新潟・佐渡島各所で作品を制作展示
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛