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初来日の作品が多数集結。DIC川村記念美術館の「カラーフィールド」で見る色彩の可能性
2022-03-30
初来日の作品が多数集結。DIC川村記念美術館の「カラーフィールド」で見る色彩の可能性

 1950年代後半から60年代にかけてアメリカを中心に発展した抽象絵画の動向のひとつである「カラーフィールド」。その関連作家9名の作品を通してこのムーブメントを紹介する日本初の展覧会「カラーフィールド
色の海を泳ぐ」が、DIC川村記念美術館で開催されている。


 カラーフィールドは、大きなキャンバス一面に色彩(=カラー)を用いて場(=フィールド)を創出させることで、広がりある豊かな画面をつくりだすことが特徴。本展では、世界でもっとも質の高いカラーフィールド作品を所蔵していると言われるカナダのオードリーとデイヴィッド・マーヴィッシュ夫妻のコレクションから初来日する約40点の作品に加え、同館の収蔵品とあわせて約50点が紹介されている。


 展覧会は、「色の形」「色と技法」「色から光へ」の3章で構成。第1章「色の形」では、フランク・ステラ、ケネス・ノーランド、ジャック・ブッシュ、アンソニー・カロといった、かたちを用いて色彩にアプローチした4作家の作品に注目する。


 フランク・ステラは戦後アメリカの抽象絵画を代表するひとりで、ミニマルアートの先駆者としても知られている。本展では、画面を黒のストライプで埋め尽くした初期作品《トムリンソン・コート・パーク(第2ヴァージョン)》をはじめ、シェイプト・キャンバスを用いた「ダートマス・ペインティング」シリーズや、鮮やかな色彩を導入した「不整多角形」シリーズの作品が展示されている。


 ケネス・ノーランドは同心円やV字など特定の形状をモチーフにした作品を展示しており、ジャック・ブッシュは、鮮やかな色彩のキャンバスに不規則な形状の色のブロックを描いた作品を展示。加えて、スチールによる彫刻を赤、青、黄などの単色に塗ったアンソニー・カロの作品を見ることもできる。


 第2章「色と技法」は、タイトルが示すようにカラーフィールドの「技法」に着目。カラーフィールドの作品においては、「主題」よりも「技法」が色彩の新たな可能性を提示する重要な役割を果たしたとされている。


 例えば、ヘレン・フランケンサーラーは初期作品においてキュビスム風に取り組んでいたが、1952年には薄く溶いた絵具をキャンバスに流して染み込ませるステイニング技法を生みだし、柔らかな質感をもつ作品をつくりだした。その代表作《山と海》はノーランドやモーリス・ルイスにも影響を与えており、モーリス・ルイスはステイニング技法を用いた「ヴェール」「アンファールド」「ストライプ」などのシリーズで知られている。同章では、フランケンサーラーとルイスの作品が同じ展示室で展示されており、その関係性をうかがうことができるだろう。


 フリーデル・ズーバスは、ルイスなど同世代の画家が下塗りをしなかったのとは異なり、下地を丁寧に施したキャンバスのうえに、アクリル絵具を用いて、羽のような筆のタッチで色の帯をかたどり、それらが画面を自由に行き交う特徴的な作品を制作した。ラリー・プーンズは、キャンバスに向けてアクリル絵の具を投げつけてできる飛沫や滴り、または異物などを貼り付ける作品を制作し続けている。こうした様々な技法によって生み出されたダイナミックな絵画にじっくり向き合ってほしい。


 第3章「色から光へ」はジュールズ・オリツキーの作品のみで構成。オリツキーは、ステイニングに始まり、絵筆やスポンジ、スプレーガンなど様々な技法や道具を駆使し、生涯にわたり絵画における色彩と光の効果を探求した。


 同章では、工業用のスプレーガンを使用した霞が漂うような作品や、中国の山水画をも思わせる絵画、そしてメタリック絵具を使用して画面に凹凸のあるテクスチャーを創出した作品など、多様な表現を堪能することができる。


 なお、同館で同時開催中のコレクション展では、「カラーフィールド」展とあわせて初めて「青|緑」「赤|黒」「銀|灰」「金|黄」「白|透明」など色ごとの作品展示を試みる。モネの《睡蓮》やルノワールの《水浴する女》をロイ・リキテンスタインなどの現代アートと比較しながら鑑賞できるのが面白い。


 色彩に取り組むことに共通しながら、様々な手法を駆使して作品を生み出した9名のカラーフィールドの代表作家。空間を満たした色彩豊かな大作を通し、色の海を泳いでみてはいかがだろうか。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/c9bb3fb6305f50cee1a06094333db976c0cf0fb4

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