大森克己『山の音』ブックレヴュー 「写真が上手いということ」 2023-03-24 写真家、大森克己の初エッセイ本『山の音』は、1997年から2022年までさまざまなメディアで発表してきたエッセイやノンフィクション、書評、映画評、詩、対談などに加えて、コロナ禍の日々を綴った日記を加えたものだ。写真は掲載されておらず、464ページにわたって、これまで大森が歩んできた日々の生活と視点の痕跡が綴られている。ここでは、写真家、野口里佳が、大森の思考の軌跡が詰まった1冊を通して、幾度となく「写真が上手い」といわれてきた大森が、何をもって写真が上手いと人々に感じさせるのか、その糸口を見つけ、独自の言葉でひも解いていく。