偽りのない、飾らない人生 故松尾正信さんの詩集 神戸高出身、村上春樹さんと同級、誰もが魅了され… 2023-07-17 〈すきな事をしながら日が暮れて、此の一日一日の身の内外の有様を書きとめたと思って、さらに白紙に向かう〉(「たまて箱」)-。神戸出身の詩人・松尾正信さんは、そんなふうに膨大な作品を書き残し、72年の人生の幕を一昨年に閉じた。生前に思い描いていた詩集は今年5月、学生時代の友人らの手により完成。古里・御影と阪神タイガースを愛し、自らを鈍行列車になぞらえた味わい深い人生が、一つ一つの作品から浮かんでくる。(田中真治)