ユダヤ人避難民を支援 埋もれた功績に光 大阪で初代駐日ポーランド大使の特別展
初代駐日ポーランド大使を務めたタデウシュ・ロメル(1894~1978年)は、日本のシンドラーと呼ばれる杉原がリトアニアで発給した「命のビザ」で欧州を脱出し、シベリア経由で日本にたどり着いたユダヤ人の生活を確保。その後、第三国への脱出に向けた避難民のビザなどの手続きに奔走した。
ロメルは人道支援の一方で、枢軸(すうじく)国側に傾く日本との外交関係維持に努め、ドイツがポーランドに攻め込んだ後も人脈を駆使し、日米開戦の直前まで外交関係を保ち続けたという。
会場では、激動の時代に生きたロメル大使の功績をパネルや映像で紹介。社会見学で訪れた中学生らは「歴史に埋もれた外交官のことを知って驚いた。そのうえでいま、ウクライナのことを考えると本当に戦争は嫌だ」と話した。
11日午後2時から、「ユダヤ人たちの救済に尽力した外交官」をテーマに名城大の稲葉千晴教授、ポーランド・クラクフ教育大のヤン・リーデル教授が講演する。
同施設の駒井詩子専門職員は「ロメル大使の活躍があったからこそユダヤ難民たちは救われた。あまり語られることがなかった大使の功績を知ってもらえれば」と話している。
18日まで、大人250円、高校生150円、中学以下無料。問い合わせは同施設(06・6947・7208)。