『蔓延防止ドミノ加速 外来逼迫も緊急事態には慎重』への皆さんの反応まとめ
【グラフで見る】感染拡大地域では20代が突出
基本的対処方針分科会の尾身茂会長は同日の分科会後、宣言発令について「今の対策でどうしようもなく医療が逼迫し、社会がおかしくなることが予想される時点で、そういうことは当然あり得る」と記者団に語った。一方、松野博一官房長官は記者会見で「宣言の発出は強度の私権制限を伴うもので、慎重な検討が必要だ」と述べた。
政府の新型コロナ対策分科会が昨年11月にまとめた0~4の5段階別指標では、宣言は2番目に深刻な「レベル3」で検討することにしている。病床使用率や重症病床使用率50%超がレベル3の目安だ。
24日現在の大阪府の病床使用率は51・4%ですでに目安に達している。東京都は36・7%だが、その感染力から50%を超えるのは時間の問題との見方は強い。
だが、重症者病床の使用率は大阪は4・6%、東京は2・4%と低い。しかも、休業要請ができる宣言発令が経済に与える影響は大きい。昨夏の第5波の際のように「宣言慣れ」で効果が出ない可能性もあり、解除できずに経済が疲弊する負のスパイラルに陥ることも考えられる。こうしたことも、宣言発令を慎重にさせる要因となっている。
とはいえ、重点措置で第6波を収束させられるかは見通せない。第5波では病床の逼迫が顕著だったが、第6波では外来診療の逼迫が問題となっている。
厚生労働省は症状が軽く重症化リスクが低い人は、医療機関を受診せずに、自らが検査した結果を自治体設置の「健康フォローアップセンター」に連絡し、自宅療養することを認めた。
また、検査体制の逼迫を受け、感染者の濃厚接触者となった同居家族に症状がある場合は、医師の判断で検査をしなくても症状で感染したかどうか診断することを可能にした。ただ、厚労省の担当者は「検査キットの需要がここ1週間で爆発的に増えている」と指摘する。小手先の対応では限界もありそうだ。