ハンパない暑さを忘れるために読みたいハンパない4冊。
書くものすべてが物議を醸す作家、ウェルベックの新作は上下巻の超大作。テロが横行する2027年のフランス大統領選挙で、ときの経済大臣と秘書官がテレビタレントを擁立するが……という極めて今っぽいテーマを扱いながら、最後には愛の物語へと至るってどういうこと!? ウェルベック、恐るべし。¥2,420/河出書房新社
今年6月、88歳で亡くなった任侠映画のマエストロ、中島貞夫監督が数十年に及ぶ映画人生を振り返る生前最後のインタビュー集。現在とはすべてにおいて異なる日本映画の黄金期が垣間見えるという意味でもかなり貴重。読後はもちろん、監督の作品を観たくなる。とりあえず『日本暗殺秘録』かな。¥2,200/かもがわ出版
1950年代、ハリウッドは共和党の上院議員ジョセフ・マッカーシー主導の下、共産主義者の映画人を取り締まる”赤狩り”が猛威を振るっていた。そんなマッカーシーがもし同時代に大統領だったら? という歴史の“if”を描いたノワール小説。『プロット・アゲインスト・アメリカ もしもアメリカが…』と併せて、「もしあの人が大統領だったら」シリーズとして夏の課題図書にしたい。¥3,520/早川書房