「作品を無断販売」と約1000万円の損害賠償を求めて、アーティストの愛☆まどんながミヅマアートギャラリーを提訴
Tokyo Art Beatの取材に対し、ミヅマアートギャラリー側は次のようにコメントした。
「まだ事案として受け取ったばかりで担当の弁護士と協議を始め たところです。ただし我々は愛☆まどんなに対しお支払いなど適正に対応してきました。
彼女の主張には販売した作品代金が昨今のオークション価格と比較し安すぎるといっ た、プライマリー界の常識を逸脱したものや、また版画制作に関して合意していた内 容を覆して、売上代金の半分の支払いを要求するなど理不尽な点が多々みられます。
いずれ裁判にて私たちに誤りのないことを立証して参ります」
アート業界において作家と契約書を交わすギャラリーはまだ少なく、様々なトラブルの温床になっているが、問題が表面化するケースは多くない。今回、愛☆まどんなは自身のウェブサイトで提訴と請求内容の概要を公表。また、自身のTwitterアカウントで「こんなかたちでわたくしの大切な作品を発表しなくてはならないなんて…心が張り裂けそう」と心情を述べている。
愛☆まどんなの代理人である弁護士の木村剛大は「本件と離れた、あくまで一般論」と断ったうえで次のように語った。
「口頭でも契約は有効だが、書面で残っていないとアーティストとギャラリーに認識の食い違いが起きやすくなる。また、当初想定しなかった事柄が起きた場合、ギャラリーが一方的な対応をすることも起こりえる。トラブルを未然に防ぎ、アーティストとギャラリー間で信頼関係を築いていくためにも契約書を交わすことは重要だ」
裁判の行方を注視したい。