弘前の奈良美智から最後のメ芸、京都のウォーホルまで。連休に見たい展覧会ベスト7
青森県弘前市でこれまで3度にわたって行われた奈良美智展。それらを振り返る展覧会「『もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?』奈良美智展弘前
2002-2006 ドキュメント展」が、9月17日より弘前れんが倉庫美術館で開催される。
奈良がドイツから帰国した2000年の翌年から、全角を巡回した国内初の本格的個展「I DON'T MIND, IF YOU FORGET
ME.」。02年には弘前れんが倉庫美術館の前身である煉瓦倉庫がその会場となり、以降、奈良は2度の個展(「From the Depth of My
Drawer」(2005)、「YOSHITOMO NARA+graf A to Z」(2006))を煉瓦倉庫で開催している。
本展は、現在の弘前れんが倉庫美術館を開館させる契機となったこれらの個展を振り返るもので、当時の関係者へのインタビュー映像のほか、市民の協力で集まった印刷物やグッズなどの資料を展示。3回の展覧会の準備から完成までの軌跡をたどるとともに、展覧会運営を担ったボランティアを起点とした持続的なコミュニティのあり方など、異なる切り口から展覧会の要素を考察するという。
会期:9月17日~2023年3月21日
会場:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
電話番号:0172-32-8950
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火、12月26日~1月1日
料金:一般 1300円 / 大学・専門学校生 1000円 / 高校生以下無料
最後のメ芸。「第25回⽂化庁メディア芸術祭 受賞作品展」(日本科学未来館ほか)
1997年度の開催以来、高い芸術性と創造性を持つ優れたメディア芸術作品を顕彰してきた文化庁メディア芸術祭。この歴史を持つイベントが、第25回をもって最後となる。
今回は、世界95の国と地域から集まった作品3537点のなかから、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4つの部門ごとに、大賞、優秀賞、ソーシャル・インパクト賞、新人賞、U-18賞を選出。日本科学未来館を中心に行われる受賞作品展では、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門における、多様な表現形態を含む受賞作品を一堂に展示する、功労賞受賞者たちの功績が紹介される。
アート部門では、anno
lab(代表:藤岡定/西岡美紀/小島佳子/的場寛/堀尾寛太/新美太基/中村優一、日本)のインタラクティブアート作品《太陽と月の部屋》が大賞を受賞。優秀賞には、山内祥太(日本)の作品《あつまるな!やまひょうと森》、石川将也/杉原寛/中路景暁/キャンベル・アルジェンジオ/武井祥平(日本/米国)《四角が行く》、MOON
Joon Yong(韓国)《Augmented Shadow – Inside》、Theresa SCHUBERT(ドイツ)《mEat me》が選ばれている。
会期:9月16日~9月26日
会場:日本科学未来館ほか
住所:東京都江東区青海2-3-6(日本科学未来館)
電話番号:03-5459-4668
開館時間:10:00~17:00
休館日:9月20
料金:無料
3年ぶりに開催。「六本木アートナイト2022」(六本木エリア)
コロナの影響で開催延期が続いていた「六本木アートナイト」が、3年ぶりに開催される。
今回のテーマは「マジカル大冒険
この街で、アートの不思議を探せ!」。メインプログラム・アーティストには村上隆を迎え、村上自らがキュレーションしたアーティスト12組とともに、「ドラえもん」とコラボレートした新作のバルーン作品を披露する。参加アーティストは、細川雄太、くらやえみ、ob、村田森、青島千穂、T9G&ナカザワショーコ、Mr.、大谷工作室、TENGAone、Kasing
Lung、タカノ綾、MADSAKI(展示場所:六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館、ラピロス六本木)。
メイン会場の六本木ヒルズのほか、約70組のアーティストによる約100のプログラムが六本木の各所で展開される。
会期:9月17日~9月19日(9月3日より一部作品は先行展示)
会場:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN
SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
料金:無料(ただし、一部のプログラム及び美術館企画展は有料)
最新の研究成果も。「ピカソ 青の時代を超えて」(ポーラ美術館)
国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館が共同で企画する「ピカソ
青の時代を超えて」。これまでの作品研究をもとにピカソの制作プロセスに焦点を当て、その作品を初期からとらえなおす展覧会が、まずはポーラ美術館で9月17日より開催される。
本展を企画するポーラ美術館とひろしま美術館は、ともに「青の時代」の最重要作である《海辺の母子像》(1902)と《酒場の二人の女》(1902)を各館の代表作として収蔵している。展示は、この「青の時代」を初期の一様式としてではなく、「キュビスム」をはじめ革新的な表現を次々と生み出していった画家の原点としてとらえなおすもの。また本展では、《海辺の母子像》をはじめとする「青の時代」の絵画作品の光学調査が明らかにしたピカソの制作の軌跡が、特別な映像を通して会場で紹介される。
会期:9月17日~2023年1月15日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
電話番号:0460-84-2111
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 65歳以上 1600円 / 大学・高校生 1300円 / 中学生以下無料 ※9月17日~9月30日は24歳以下無料招待
100点が日本初公開。「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」(京都市京セラ美術館)
ポップ・アートの旗手として、アメリカの大量消費社会の光と影を描いたアンディ・ウォーホル(1928~1987)。その大回顧展「アンディ・ウォーホル・キョウト
/ ANDY WARHOL KYOTO」展が、9月17日より京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」で単館開催される。
ウォーホルは1956年の世界旅行中に初めて来日し、京都を訪れている。この展覧会では、そんな京都とウォーホルの関係に目を向け、そのゆかりを示す貴重なスケッチなどを展示し、若き日のアンディ・ウォーホルの心をとらえた京都の姿に思いを馳せるもの。
会場は大きく5つの章に分かれており、「ピッツバーグからポップ前夜のニューヨークへ」「ウォーホルと日本そして京都」「『ポップ・アーティスト』ウォーホルの誕生」「儚さと永遠」「光と影」の各章で構成。作品はすべてアメリカ・ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成され、絵画・彫刻など約200点および映像15点が出品。そのうち、門外不出の《三つのマリリン》を含む100点以上が日本初公開作品となる。
会期:9月17日~2023年2月12日
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館)、12月28日~1月2日
料金(当日券):土日祝一般 2200円 / 平日一般 2000円 / 大学・高校生 1400円 / 中学・小学生 800円
グッズ付きチケット(7月15日~9月16日):公式図録付きチケット 4330円 / 公式トートバッグ付きチケット 4220円 / BE@RBRICK
ANDY WARHOL \