「特攻要員」の苦悩に迫る 予科練生描く演劇上演へ 兵庫・豊岡
豊岡市民プラザを運営するNPO法人プラッツと豊岡市の主催。教育者、東井義雄を題材にした2021年上演の「村を育てる」に続く企画。作品は第11回OMS(扇町ミュージアムスクエア)戯曲賞(大阪ガス主催)大賞受賞の劇作家、ごまのはえさん=劇団「ニットキャップシアター」代表=の書き下ろし。演出は劇作家で演出家の内藤裕敬(ひろのり)さん=劇団「南河内万歳一座」座長。
ごまのはえさんは、養父市関宮生まれの作家、山田風太郎の作品中に、在学していた旧豊岡中のエピソードが描かれていることから豊岡高を訪問。同窓会「達徳会」の協力で、大勢の生徒が終戦間際に予科練を志願した出来事を知った。
予科練は、14~17歳の少年を選抜し、旧海軍の航空機搭乗員として戦地に送り出す制度で、1996年発行の「豊高創立百周年記念誌」によると、43年度には海軍甲種飛行予科練習生、陸軍士官学校、海軍兵学校などの志願者勧誘、割り当てが急増。43年の予科練募集では志願生徒が133人(採用90人)にのぼり「血書をもって志願する者もあった」。44年の志願は137人に達したという。
同窓会誌なども読んだごまのはえさんは記者会見用のメッセージで「予科練生は特攻要員として兵器同然に扱われ、終戦による帰郷後も送り出した大人たちは冷たく、予科練くずれと、ささやかれたようで、彼らの心情に迫りたいと創作した」としている。
3日午後7時、4日午後2時、JR豊岡駅前の豊岡市民プラザ(アイティ7階)。前売り2000円(大学生1000円、高校生以下無料・要整理券)。当日200円増。問い合わせは豊岡市民プラザ(0796・24・3000)。