【今週見るべき展示会】ボストン美術館の名作展からデンマークの名作家具まで
世界有数のコレクションを誇るアメリカ・ボストン美術館。本展は、その収蔵品の中から「力」をテーマに、エジプトのファラオ、ヨーロッパの王侯貴族、日本の天皇、大名をはじめ、古今東西の権力者たちに関わる作品を紹介するものだ。あるときは権力のシンボルとして、その力の正統性を示すものとして、あるときは献上品のように政治的外交の手段としてーー「力とともにあった芸術」の歴史を振り返る。
約60点の出展作品のうち、半数以上が日本初公開。日本美術も多く“来日”する。たとえば、奈良時代の学者・政治家、吉備真備が、鬼となった阿倍仲麻呂の助けを借りながら難題を切り抜ける逸話を描いた《吉備大臣入唐絵巻》。平治の乱をテーマにした合戦絵巻の最高傑作のひとつ《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。いずれも日本に残されていれば国宝に指定されたと考えられている「幻の国宝」だ。また、本展のために修復された、増山雪斎の《孔雀図》も見どころだ。雪斎は伊勢長島藩の大名(本名は正賢で、雪斎は雅号)で、自身芸術家であるとともに、当時の芸術家を支援した人物だ。この《孔雀図》は今回が日本初公開となる。
『ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)』
会期:~10月2日(月)
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
時間:9:30~17:30(金曜は20:00まで)
※入室は閉室の30分前まで
休室日:月曜、9月20日
※ただし、8月22日、29日、9月12日、19日、26日は開室
料金:一般 ¥2,000、大学・専門学校生 ¥1,300、65歳以上 ¥1,400、高校生以下無料
※日時指定予約制。詳細はこちら
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
(画像)
(左)伝 狩野永徳 《韃靼人朝貢図屏風》桃山時代、16世紀後半
MUSEUM OF FINE ARTS, BOSTON, FENOLLOSA-WELD COLLECTION
(右)《厚板 萌黄地牡丹立涌模様》江戸時代、17世紀末-18世紀初頭
MUSEUM OF FINE ARTS, BOSTON, WILLIAM STURGIS BIGELOW COLLECTION AND JULIA BRADFORD HUNTINGTON JAMES FUND