ふるさと納税の自販機、高野山に設置 近畿初

この自販機は、IT企業「グローキーアップ」(神奈川県)が「訪れた人が地域と結びつくために」(鍵和田芳光社長)と開発。すでに関東や東海の約10自治体に導入されているが、近畿では初めてという。
自販機は画面をタッチして操作する。返礼品を選択し、氏名や住所などの個人情報を入力。カードリーダーを使い、クレジットカードで決済すると、レシートが発券される。このレシートを協会に提出すれば、返礼品と交換できる。
返礼品は、寄付額に応じて、町内の宿坊の宿泊割引券や、飲食店・土産物店などで使える商品券などを用意している。
クレジットカード以外に今後、電子マネーによる決済も検討しているが、現金決済は安全性や回収に手間がかかるとして行わないという。
20日に現地で除幕式があり、平野嘉也町長は「町を訪れて『よし、高野町を応援するぞ』という気持ちになったら直接寄付ができる優れモノ。町全体の活性化につなげたい」。協会の山階清隆理事長は「高野山に来ていただいて、単なるふるさとではなく、『心のふるさと』になれば」と話した。
ふるさと納税をめぐっては、町では平成30年度に約196億円の寄付を集めたが、過度な返礼品で多額の寄付を集めたと総務省に指摘され、令和元年6月、大阪府泉佐野市などとともにふるさと納税の制度から除外された。2年7月に復帰したが、3年度の寄付額は約6500万円にとどまっている。
町では、今回設置した自販機が寄付額の後押しになればと期待している。