佐渡裕さんプロデュース「ドン・ジョヴァンニ」上演 人気オペラ、国際的ダブルキャストで 7月、西宮・芸文センター
プロデュースオペラは2005年の開館以来続く企画。意匠を凝らした舞台装置・衣装、国際的なダブルキャスト、専属の兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏などで、好評を得ている。
主人公は、スペインの貴族ドン・ジョヴァンニ。行く先々で、女性たちと関係を持っていたが、ある夜、ドンナ・アンナ邸に忍び込み、彼女の父親の騎士長に見つかり、殺してしまう。優美な音楽が特徴で、「シャンパンの歌」など、美しい名曲が数々歌われる。
日本人歌手の組では、ドン・ジョヴァンニ役はバリトンの大西宇宙(たかおき)、ドンナ・アンナ役はソプラノの高野百合絵(ゆりえ)。海外から招いた歌手の組ではそれぞれ、ジョシュア・ホプキンズ、ミシェル・ブラッドリーが演じる。
大西は米国の歌劇場でキャリアを築き、国内外で活躍、高野は2021年のプロデュースオペラ「メリー・ウィドウ」で主演に抜てきされ、高い評価を得た。海外から招いた2人はいずれも、米メトロポリタン歌劇場などで活躍する。
演出は、米メトロポリタン歌劇場の首席演出家を長く務めたデビッド・ニースで、プロデュースオペラは3回目となる。装置・衣装はロバート・パージオラ。正統的で繊細な演出と、壮麗な装置・衣装が期待できるという。
会見で、佐渡芸術監督は「華やかでモーツァルトらしく、とてもユニークな作品。劇場空間を面白がってもらえれば」と魅力を語る。コロナ禍の3年について「演奏家、お客さんそれぞれが、劇場で感動を共有する価値を痛感したと思う。コロナで失いかけた人と人のつながりを取り戻す舞台にしたい」と意気込む。
大西は「バリトンの究極的な役で、挑戦であり、わくわくしている」、高野は「あこがれの役で、皆さんと一緒につくりあげるのが楽しみ」とそれぞれ語った。
イタリア語上演、日本語字幕付き。7月14~23日(18、21日を除く)の各日午後2時開演。3千円~1万3千円。2月23日から会員先行予約受け付けを開始、同26日から一般発売。芸術文化センターチケットオフィスTEL0798・68・0255