鳥取・岡山でロケ、銃撃戦描く長編アクション映画…真庭の男性がスマホで自主制作
映画は、「公安外事特殊作戦課」の元捜査官で、今は山陰で静かに暮らす主人公と、かつて逮捕したテロリストとの対決を描いたハードボイルド。 復讐(ふくしゅう )に来たテロリストに、主人公や元同僚らが立ち向かう。
主な撮影地は米子市。クライマックスは日吉津村の海岸で迎える。銃撃戦が繰り広げられるのは名和さんの地元・真庭市だ。
映画好きの名和さんは2004年に和歌山県からUターンすると、地元で映画のロケを手伝ったり、自主上映会に関わったりしてきた。14年から、映画制作ワークショップ「浜村温泉湯けむり映画塾」に参加。「日本の首領(ドン)」や「極道の 妻(おんな) たち」シリーズなどで知られる中島貞夫監督(6月に88歳で死去)から、脚本の書き方、撮影、演出の方法などを学び、短編映画の監督などを務めた。
今回は初の長編作品。好きなアクション映画を作りたいと、映画塾で出会った塾生に声をかけ、18年に企画をスタートさせた。塾生や役者の多くが住む米子市を主なロケ地に選んで19年9月から撮影を始め、コロナ禍や準主役の交代などもあったが昨年夏、完成にこぎつけた。
名和さんは監督、撮影、編集を一人でこなした。ほぼすべてスマートフォンで撮影したが、自動車の中など狭い空間では使い勝手がよかったという。爆発シーンや銃撃戦などはVFX(視覚効果)を駆使して、低予算ながら見応えのあるアクションシーンを描いた。
各種映画祭に応募したところ、ドイツの在ハンブルク日本総領事館などが開く日本映画祭に招待された。今年6月中旬にあった現地の上映会には名和さんも出席し、約30人の聴衆からの質問に答えた。
名和さんは「笑えるシーンでは爆笑するなどリアクションが大きかった。海外で鳥取のことを知ってもらえた」と振り返る。
今回を手始めに、今後は国内での上映会を呼びかけていく。「難しいことを考えず、アクションシーンや、過去に傷を抱えて生きる主人公の姿など、人間ドラマを楽しんでほしい」と話している。
米子市文化ホールでの上映は、7月8日午後2時30分と同6時から。いずれも上映後に名和さんらによるトークイベントがある。当日1500円。前売り1200円。問い合わせなどは「銃弾のレクイエム」のサイト( http://unicorn.age.ai/Requiem/ )へ。