『いまだ54歳カズが主役…Jリーグの切ない現状 セルジオ越後氏、舌禍騒動謝罪も改めて実力主義主張 「貢献しない選手は去らないとしぼんでいく」』への皆さんの反応ま
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引き金を引いたのはカズが17年間在籍し、来季はJ2に降格する横浜FCだった。
日本サッカーのご意見番・セルジオ氏は3日、「カズよ 裸の王様になるな!」と題した動画を公開。その内容は「彼(カズ)がCMに出てクラブにお金が入る」「それが財源になって戦力がアップする」「彼がいなくなったら横浜FCは大変になる」「ただそれでお金が入ればいいもんだったら、それはちょっと(カズが)利用されているみたい」など、〝セルジオ節〟を連発した。
これに、横浜FC・小野寺裕司会長が異議を唱えたのだ。「三浦選手がCMに出演することで収入が得られるような契約は一切していない」と明言し、「虚偽の内容が拡散されることでクラブの名誉が著しく毀損される」「配信内容は事実無根」と完全否定した。
横浜FC広報は「このリリースを出す前にセルジオ氏と運営会社側に抗議文を出したが、何も返答はなかった」と説明。しびれを切らし、公表に踏み切ったという。
セルジオ氏の辛口評論は、1993年のJリーグ発足時から専売特許。他の追随も許していないが、この日の夜に「カズ選手と横浜FCに対して誤った発言があった」と2分57秒の「緊急動画」を公開した。そこで「カズのCMからチームにはお金は入っていない。それは僕の過ちです」と謝罪も、持論は曲げなかった。
ブラジルから来日して50年になると話したセルジオ氏は「プロリーグ(Jリーグ)は厳しい。アマチュアとは違う。チーム(横浜FC)もそういうルールでやらないと、Jリーグは成長しない」「横浜FCはなんでカズをかばうんだ。貢献しない選手は去っていかないとJリーグはしぼんでいく。横浜FCも強くならないです」と主張を続けた。
実際に、カズがCMに出演することで、クラブが収入が得られるような契約はなくとも、その効果は計り知れない。カズがいることでスポンサーになっている企業もあるはずで、CMなどを見たファンがスタジアムに観戦に訪れることで、クラブに収入がもたらされることは否めない。ネットなどの反応も、セルジオ氏の発言に「核心をついている」と好意的なものが大半を占めている。
「カズは子供のころから知っている」としたセルジオ氏は「プロフェッショナルのお手本、日本の宝」とリスペクトは忘れていないが、それと今回の件は別問題だ。
カズの今季リーグ戦出場は、J1最年長出場記録を54歳12日に更新した3月10日の浦和戦(埼スタ)の1分だけ。それでも横浜FCはカズに来季契約をオファーしたが、これは小野寺会長の意向が強いとされている。
そんな中、横浜FCは10日、来季監督にJ1札幌で監督歴もある四方田修平コーチ(48)の就任を発表。実は新指揮官は、1998年フランスW杯の日本代表スタッフの一員で、J3のFC今治・岡田武史会長(65)のまな弟子だった人物だ。この監督決定で一気に雲行きが変わった。
カズは現役にこだわり「カテゴリーはどこでもいい」と常日頃からコメントしている。そこへ兄・泰年氏(56)が監督兼ゼネラルマネジャーを務める、4部に相当するJFL鈴鹿や、5部に相当する、おこしやす京都(関西1部リーグ)からオファーが届いた。
カズは現在大阪で来季に向けた自主トレ中。「現役続行」に全くブレはなく、オファーを受けた複数のクラブとは年内に交渉を持つという。
発足当時はプロ野球を追い越す勢いをみせたJリーグは、来年で30年目のシーズンを迎えるが、話題は先細る一方。最も取り上げられるのはカズであることは変わらない。
厳重抗議した横浜FCに残るのか、新天地を求めるのか。今回の件で、カズの去就の注目度がさらに増す、皮肉な展開となってしまった。