<竜王戦本戦準決勝・稲葉陽八段-伊藤匠六段>先手の伊藤六段は昨年の角換わりとは違う相掛かりを選択
伊藤六段は5組優勝での本戦入り。本戦では4連勝と勢いに乗っており、前期竜王戦挑戦者の広瀬章人八段、竜王戦に強い丸山忠久九段と1組の実力者を連破した。序盤巧者で、中終盤は手堅い指し回しを好む。
関西将棋会館の御上段の間での一戦。先に入室し、上座に入った稲葉八段。時計を置くと、瞑想するように集中力を高めていた。5分ほどして下座についた伊藤六段。鞄を置くと、駒並べが始まった。
振り駒で先手となった伊藤六段は一呼吸置いて初手▲2六歩を指し、相掛かりを選択した。昨年の角換わりとは違う戦法になっている。(読売新聞・吉田祐也)