村上隆による十三代目市川團十郎襲名披露公演の祝幕がお目見え!
市川海老蔵改め十三代目市川團十郎襲名披露、八代目市川新之助初舞台「十一月吉例顔見世大歌舞伎」が歌舞伎座で11月7日から幕を開ける。舞台に華を添えるのが、村上隆による祝幕だ。
「勧進帳」や「助六」「暫(しばらく)」といった歌舞伎十八番のすベての演目が描かれている。
「現代の絵師が描く現代の役者絵を作ってほしい」と依頼したのは三池崇史監督。十三代目市川團十郎のドキュメンタリー映画を撮影していく中でアイディアが生まれたという。
原画は「幅×高さセンチメートル」と決して小さくはないが、幅32メートルもの大きさになると圧巻だ。
「巨大な絵画は建築と同じで構造、内部骨格が大切です。原画もこの大きさを想定しています。上部にまっすぐな矢や木材を配置し、それぞれの目の色彩を変えるなど、視線の誘導で絵全体に目がいくように工夫しています」(村上)
事前に村上隆のスタジオで原画を見て「感動した」と市川團十郎はいう。
「祝幕の大きさになると、言葉を失うほどの美しさと迫力を感じます。近くで見ても細かな違いに、遠くから見ても素晴らしさに気付かされます。まさに“粋”ですね」(市川團十郎)
襲名披露公演は〈歌舞伎座〉を皮切りに、この祝幕とともに2年をかけて全国各地で行われる。また制作中という三池崇史によるドキュメンタリー映画にどのように登場するのかも気になるところ。
現代アート、映画、歌舞伎の融合は始まったばかりだ。