『大阪府警、ビル放火殺人事件の容疑者名を発表 現場に容疑者の免許証』へのユーザーの意見まとめ
【見取り図】火災のあったクリニック(府警、消防などへの取材から)
府警は18日、17人の司法解剖を終えた。うち5人の死因が同日までに判明し、全員が急性一酸化炭素(CO)中毒だったと発表した。
火災は17日午前10時20分ごろ、大阪市北区曽根崎新地1丁目の「堂島北ビル」で発生。心療内科の医院「西梅田こころとからだのクリニック」がある4階の一部約25平方メートルが焼け、27人が心肺停止状態で搬送された。
捜査1課によると、119番通報の直前、クリニックに紙袋を持った男が訪れていた。男が入り口近くで紙袋を蹴り倒すと液体が流出し、暖房器具の近くで火が燃え上がったという。
捜査関係者によると、事件後にクリニック入り口付近から油分が検出され、天井近くまで燃え上がった痕があった。当時受付近くにいた女性2人は「男が紙袋を床に置いた後、突然高い火が出た」と府警に証言したという。府警は、流出した液体は揮発性が高く、爆発的に燃えるガソリンだった可能性が高いとみて成分を鑑定する。
ビルから3・5キロ離れた谷本容疑者が生活していた住宅では、ビル火災の30分ほど前に放火とみられる火災が起きていた。焼損はわずかで、捜査関係者によると、谷本容疑者が事件が起きたクリニックで診察を受けていたことを示す資料が見つかった。谷本容疑者の名前があり、免許証の表記と一致した。府警は、谷本容疑者がクリニックの患者で、通院先に放火した疑いが強いとみている。
谷本容疑者は事件後、重いやけどを負うなどして救急搬送された。18日午後現在、危険な状態という。事件では他に、意識不明の重体で病院に搬送された女性2人が治療中という。
逮捕状の請求前に容疑者名を公表した理由について、捜査1課の冨山浩次課長は、「被害者・ご遺族が被疑者の早期特定を望んでいる。重大事案と鑑みて公表した」と説明した。朝日新聞社