愛☆まどんながミヅマアートギャラリーを提訴。販売委託契約違反など主張
株式会社ミヅマアートギャラリーに対して民事訴訟提起したことを自身のウェブサイトで公表した。
原告は愛まどんなプロダクション株式会社と作家本人。被告は株式会社ミヅマアートギャラリーと、同社代表取締役・倉重成忠、同社取締役・三潴末雄の3者。
愛☆まどんな側の訴えによると、株式会社ミヅマアートギャラリーは、愛まどんなプロダクション株式会社が2022年9月に予定されていた愛☆まどんなの個展で展示する作品の一部として、2021年2月から8月にかけて引き渡した「彼女の顔が思い出せない」シリーズ新作60点を、アーティスト側との販売価格に関する協議を行うことなく、個展開催前に4名の顧客に販売したという。原告側はこれが販売委託契約に違反したとしており、債務不履行に基づく損害賠償を求めている。
また、上記の新作60点をアーティスト側の承諾なく販売する行為が愛☆まどんなの著作者人格権としての公表権を侵害するとしており、公表権侵害に基づく損害賠償も主張。販売委託契約がすでに原告会社から解除されており、愛☆まどんなをミヅマアートギャラリーの取り扱いアーティストとして掲載するウェブサイトを削除するよう求めている(ただし、6月17日時点で同ギャラリーウェブサイトの取り扱いアーティスト一覧に愛☆まどんなの名前は確認できない)。加えて、同社代表取締役・倉重成忠、同社取締役の三潴末雄の両氏についても、被告会社の債務不履行、不法行為に関して任務懈怠があったとして損害賠償の請求を主張している。
愛☆まどんなは美術手帖の取材に対し、「アート業界も例にもれず、変わらなくてはいけないタイミングが来たのだと思います。正直、自分がその矢面に立つむずかしさは痛いほど感じています。ただ、私はアーティストとして見て見ぬ振りはできません」とのコメントを寄せている。
いっぽうのミヅマアートギャラリー側は美術手帖の問い合わせに対し、訴訟については担当の弁護士と協議を始めたところとしながら、愛☆まどんなに対し適正な支払いを行なってきたと強調。アーティスト側の主張については「プライマリー界の常識を逸脱したもの」があるとしており、版画制作については「合意していた内容を覆して、売上代金の半分の支払いを要求するなど理不尽な点が多々見られる」と主張している。