優雅に華やかに、3年ぶりに金色の仏舞 観音霊場の京都・松尾寺
松尾寺は、福井県と京都府の境にある青葉山(標高693メートル)の中腹に建つ。8世紀初めの創建で、平安時代末期には観音霊場として信仰され、西国三十三所観音霊場の第29番札所となっている。
仏舞は600年以上前から始まったと伝わる。本堂では、僧侶の読経の後に釈迦如来、阿弥陀(あみだ)如来、大日如来の面を着けた6人の舞い手が登場。笛や太鼓の音に合わせ、手を胸の前でくるくると回し、ゆっくりと円を描くように動かして優雅に舞った。
18世紀には釈迦の誕生日の4月8日に舞われていた記録があるが、明治以降は毎年5月8日の行事となったとされる。地元の松尾地区の住民を中心に、周辺住民も参加して伝統の舞を継承している。【塩田敏夫】