料理家・後藤加寿子が母娘でメニューを監修。日常を豊かにする和食店が広尾に誕生。
ハレではなく “日日” をテーマに、日常で食べたくなる料理を揃える。昼は2,750円~、夜は8,800円~のコースをそれぞれ用意。料理同様に、素材を生かした内装と家具を手がけたのは、空間デザイナーの柳原照弘。壁、床、テーブルに土や無垢材を用い、それぞれの風合いを生かす工夫がなされている。
「〈素材を生かす〉ことと同時に設計で意識した点は、〈よい素材を丁寧に使う〉、〈基本を守りながら既成の枠にとらわれない〉こと。土や無垢材にはコーティング材をできるだけ使わず、素材そのものの色で仕上げています」と柳原。
「例えば、土を使ったカウンターは、柔らかいテクスチャーにすることで、お皿を置いた時に音がしないように配慮しています。壁面は、土の産地による色の違いや左官の押さえ方などでバリエーションを生み出し、タイルに見える床は、外部の壁と同じ土で硬度と仕上げを変えています」。
空間構成にも柳原らしい〈素材を生かす〉工夫が。店舗設計をする際、もともとあった大きな柱をネガティブに捉えず、店内のシーンを分ける境界線に利用した。
「柱のフレームによって切り取られたダイニングは、静寂なエントランスと対照的によりくつろげる空間へ。限られた広さながら、店内に4つのシーンを作りました。中央の大テーブル、窓際の席、ガラスで仕切られた半個室、キッチンに面したカウンター。利用者の人数や目的に合わせて利用してほしいですね」。
東京都港区南麻布4-12-4 TEL 03 6277 3522。11時~14時LO、14時30分~16時、18時~21時30分LO。水曜休。木曜は夜のみ営業。