東郷平八郎の顕彰式典が節目の70回…日本海海戦や命日に合わせ開催、哨戒機も表敬飛行へ
東郷は、西郷隆盛や大久保利通と同じく、現在の同市加治屋町で育った。明治に入ると、海軍士官として活躍。日露戦争では、司令長官として連合艦隊の指揮を執り、1905年5月27、28日の日本海海戦で露バルチック艦隊を撃破するなどの功績を挙げた。13年に元帥に任じられ、34年5月30日に死去した。
式典は、近代日本の躍進を支えた東郷の偉業をたたえようと、旧海軍、海上自衛隊OBらでつくる鹿児島水交会などが54年から毎年実施。日本海海戦と東郷の命日に近い日を選んで開催している。これまでに、当時、敵国だったロシアの人も参列したり、式典に合わせて海自の艦艇が一般公開されたりしたことがあるという。
今年は28日午前10時~正午、鹿児島市清水町の多賀山公園内にある東郷平八郎墓地で開催。新型コロナウイルス禍でも、参加人数を半分以下に縮小するなどして続けてきたが、今年は4年ぶりに通常規模に戻して実施する。
一般の参加も可能で、海自の哨戒機が表敬飛行するほか、東郷自身も稽古に励んだ薬丸自顕流の奉納演武なども行われる。
鹿児島水交会会長で、式典の実行委員長を務めるのは、元海自幹部の重水義也さん(76)(鹿児島県日置市東市来町湯田)。実家には日露戦争時の連合艦隊旗艦「三笠」に乗船する東郷らを描いた絵画が飾られていたこともあり、幼い頃から身近な偉人だったという。
重水さんは「久しぶりに通常開催に戻り、盛大に実施できることがうれしい。老若男女問わず、足を運んだ人の思い出に残る式典にしたい」と話している。