現代サーカスと美術 富山で合流 束芋さんらの舞台初演
2人は2019年に南仏で出会い意気投合。日本で新しい舞台作品を作ることになった。その後、新型コロナウイルスの感染拡大で計画が延び、ビデオ通話で構想を練ってきた。21年9月にようやく束芋さんが渡仏。具体的な舞台計画が動き出した。
ヌーボーシルクとは、ジャグリング、ダンス、音楽など多彩な要素が織り込まれたパフォーマンス。ミュラーさんは約30年の経歴を持つ主要アーティストの一人という。一方の束芋さんは11年のベネチア・ビエンナーレの日本館代表作家にも選出され、近年は舞台活動も展開中。
今回の作品は、舞台上につるした大きなシーツをミュラーさんが1人だけで八つの滑車を使って自在に操作。そこに束芋さんの「水」をテーマにした映像を映し出す。この舞台構想を持って全国の劇場を回った際、難解な内容のため難色を示す担当者が多かった中で、同ホールの担当者が「ぜひ」と賛同し、富山でスタートすることになった。
束芋さんは「当日は音楽もライブで、いろんな要素が絡まっていく舞台となる。いろんなものが交わるというよりぶつかり合い、けんかして融合するイメージ」、ミュラーさんは「試行錯誤してきたものが富山で合流して一つになるという、全てが新しい取り組みだ」とそれぞれ作品の魅力をアピールした。
富山公演は28日午後7時、29、30日午後2時。チケットは一般4000円。問い合わせは同ホール(076・445・5610)。5月には東京都、山口、沖縄両県でも上演予定。【青山郁子】