アーティゾン美術館で「ABSTRACTION」が開催へ。セザンヌ、マティス、ピカソから現代までの抽象絵画の覚醒と展開
8月20日まで。
本展は、20世紀の絵画表現を牽引し日本にも影響を与えた抽象絵画にフォーカスを当て、アーティゾン美術館の全展示室を持ってこれを紹介する大規模展覧会。印象派を起点に、抽象絵画が生まれ発展していく様子を、フランスを中心としたヨーロッパ、アメリカ、そして日本の動向を中心に展観する試みだ。
会場には、前身のブリヂストン美術館が休館した2015年以降に収蔵した95点を含む約150点の石橋財団コレクションに、国内外の美術館や個人のコレクションをあわせた約250点が集結。
全12章の
展示構成は、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガン、モネ、ルドンなどの作品が並ぶ「抽象芸術の源泉」から始まる。「ベル・エポック」の頃に抽象絵画に先立って芽吹いた表現を紹介する「フォーヴィスムとキュビスム」ではマティスやピカソの作品にも出会えるだろう。
「オルフィスム、未来派、青騎士、バウハウス、デ・スティル、アプストラクシオン=クレアシオン」では、抽象絵画の創始者とされるカンディンスキーをはじめ、コルビュジエやクレーらによる表現を展覧。
萬鉄五郎や岡本太郎の絵画に触れる「日本における抽象絵画の萌芽と展開」、アンフォルメルという言葉でも知られる「熱い抽象と叙情的抽象」、デュビュッフェ、ミロ、マルセル・デュシャンが登場する「トランス・アトランティック-ピエール・マティスとその周辺」、1940年代後半から50年代にかけてニューヨークを中心に広まった「抽象表現主義」と続く。
その後、「戦後日本の抽象絵画の展開(1960年代まで)」「具体美術協会」「瀧口修造と実験工房」と日本への影響を紹介するセクションを経て、「戦後抽象作家のその後-アルトゥング、スーラージュ、ザオ・ウーキー」、そしてリタ・アッカーマンや柴田敏雄の作品を紹介する「現代の作家たち」へとつながる。
同館の新収蔵品を含む貴重な作品の数々を通して抽象絵画の歴史を通覧する、見どころ満載な本展。その開幕が待望される。