AIの学習活用 グループ学習の補足に有効 試験活用は不適切 文科省原案
関係者によると、原案では「生成AIを使いこなす力を意識的に育てる姿勢が重要」と指摘。懸念されるリスクとして、批判的思考力や創造性への影響、個人情報流出、著作権侵害などに触れた。一部の学校での試験的な導入を基本とするとみられる。
活用法に関しては、討論などグループによる学習活動で足りない視点を補うことや英会話での文法誤りの指摘、高度なプログラミング学習を有効な場面として想定。不適切事例にも触れ、生成AIの性質や限界を学習せずに自由に使わせることや、成績評価につながる定期テストなどでの利用、詩・俳句の創作や芸術活動での安易な利用などを挙げた。
また、夏休みが迫っていることを想定し、読書感想文やコンクールへの作品応募の際、生成AIを使ったのに自分で作成したと装って提出するのは不正行為だと指導する必要性に触れている。
文科省は現在、AIの専門家や教育関係者へのヒアリングを続けているほか、中教審の特別委員会でも議論が始まっている。これらの意見を参考に原案を修正し、夏休み前の7月にガイドラインを公表するが、その後も技術の進捗(しんちょく)や教育現場の実態を踏まえて順次改訂していく方針。