フィンランドの首都で開催中の『ヘルシンキ・ビエンナーレ』とは?
ヘルシンキのマーケットスクエアからフェリーで約20分のところにあるヴァッリサーリ島は、長年、ロシアやスウェーデン、フィンランドの軍事拠点だった島。2012年に国防軍の撤退後は自然保護区に整備され、2016年からアクセスができるようになった。
『ヘルシンキ・ビエンナーレ 2023』の期間中は、野外をはじめ、点在する旧火薬庫内などに15人のアーティストによる作品を展示。地図を片手に約3キロ、アートを探しながらトレイルが楽しめるという趣向である。
今回のテーマは、「New Directions May Emerge」──来るべき新しい方向性。キーワードは、汚染、再生、効用である。美しく見えるヴァッリサーリ島を囲むバルト海だが、実際には汚染度がとても高いとののこと。「汚染問題をポジティブな変化のきっかけにできないか? 人間や動植物だけでなく、AIも含め、アートが影響を与えうるのか?」など、私たちが直面する諸問題への気付きを促し、その解決策を示唆する作品がセレクトされている。
そのほか、〈ヘルシンキ現代美術館〉(キアズマ)、〈ヘルシンキ中央図書館〉(Oodi)、私立美術館〈アモス・レックス〉でも展示やイベントを主催するほか、オンラインでの展示やプログラムもあり。
ヴァッリサーリ島(Vallisaari)での展示は2023年9月21日まで。月曜休。11時~18時。
〈ヘルシンキ市立美術館〉(HAM)では2023年10月22日まで。月曜休。11時30分~19時(火曜は10時~17時30分)。入場無料。