【インタビュー】村上隆×RTFKTのコラボスニーカーがついにフィジカルに!
2021年12月、ナイキがNFTを扱う新進気鋭のスタートアップを買収したというニュースが流れた。そのスタートアップ企業こそが、このRTFKT(アーティファクト)である。
2020年、ベンワ・パゴット、スティーブン・ヴァジリー、クリス・リーの3人によって「デジタル時代のファッションブランド」として立ち上げられたRTFKTは、翌21年にデジタルスニーカーを発表。リリースされた600足は、わずか5分間で4億円以上の売り上げを記録。それはNFTシーンの活況ぶりを強く印象付ける「事件」となった。
もちろん、こうした背景にはRTFKTによるクリエーションが、NFT化によってセカンダリー市場で価値を高めていくことを織り込んでいるということがある。つまり、RTFKTは顧客にとって「消費」が同時に「投資」にもなり得るという(スニーカーや高級時計に顕著な)近年のブランドビジネスにおける傾向を戦略的に実践する「ブランド」であり、また、「NFT」「メタバース」「WEB 3」といったワードとともに語られるデジタル時代のビジネスモデルの先駆者として経済・金融のプレイヤーたちからもその動向を注目される「企業」でもあるのだ。
そのRTFKTとアーティスト・村上隆の共同制作は、メタバースでのアバターを使ったプロジェクトである「CLONE X」から始まった。
「CLONE X」は21年10月のスタート以来、両者のクリエイティビティが融合した先鋭的なNFTコレクションとして、NFTアートシーンを象徴する文字通りのアイコンとなっている。また、22年5月にNYガゴシアン・ギャラリーでの村上隆の展覧会『An Arrow through History』でも「CLONE X」は展示され、それは村上によるNFTアートを“ファインアート”の世界に移植する試みでもあったと言えるだろう。
そんな「CLONE X」のさらなる進化が期待されるなか、RTFKTと村上隆のコラボレーションによる新作として、カスタマイズされた「ナイキ エアフォース1」が発表された。デジタルのみならず、同時に発表されるフィジカルなプロダクトもNFC(近距離無線通信)でスキャンすることでNFT化されるという仕様が注目を集めている。この新プロダクトの発売イベントと村上隆が主催する参加型アートイベント『GEISAI』での審査員を兼ねて来日したRTFKTのメンバーを、村上隆とともに会場でキャッチ。イベント終了直後の喧騒のなか、間隙を縫っての一問一答を以下に。