「戦争の記憶引き継ぐ」 終戦の日 群馬で3年ぶり戦没者追悼式
追悼式は昭和38年度から始まり、今年度で58回目を迎えた。この日の式典では、遺族ら34人の参列者が正午の時報に合わせて黙禱(もくとう)をささげ、戦没者の冥福を祈った。
山本一太知事は式辞で、戦争の記憶が風化しつつあるとの懸念を示し、「悲惨な戦争の記憶を次の世代へと引き継ぎ、平和の尊さをしっかりと訴えていかなければならない」と述べた。
ロシアによるウクライナ侵攻にも言及。「多くの市民の命や平穏な日常が奪われ続けている。こうした武力による現状変更は断じて許される行為ではない」と語った。
若者代表による「平和の誓い」は、県立渋川青翠高校3年の渡部梨(り)乃(の)さんと県立渋川工業高校3年の鵜飼斗(と)望(おむ)さんが行い、「戦争を自分事としてもう一度考えていかなければならない。この歴史を繰り返さぬよう語り継ぎ、後世に残していく」と述べた。
県遺族の会の清水基衛会長も、「二度とわれわれのような戦没者遺族を出さないため、大戦を知る遺族として戦争の悲惨さと恐怖、平和の尊さを語り続ける」と決意を語った。
例年の追悼式は約1700人の参列者を迎えて行われるが、今年度は感染拡大「第7波」に見舞われる中での開催となった。このため県は高齢の遺族の安全確保のため、参列者数を大幅に減らすなど式典の規模を縮小して実施した。