国宝・姫路城の外堀、水位たくみにコントロール
同センターは、民間ビルの建設に伴い、約540平方メートルについて調査を進めており、最大地下約4メートルで石垣が見つかった。西側の外堀は1873年(明治6年)頃から埋め立てられたとされる。
発見された外堀は幅約10メートル、深さ約1・7~2・6メートル。南北約30メートルで、堀の東面と西面の石垣とみられるという。東面は高さ約1・7メートルで7段の石垣、西面は高さ約2・6メートルで9段の石垣がそれぞれ残っていた。
堀は船場川の中程に堤を築き、自然の川を利用して造られている。石垣は東西両側とも、石材の積み直しが複数回行われており、川が氾濫するたび、急いで修復していたと想定できるという。
堀が増水すると川へ、川に水があふれると堀へ流していたとみられる。川から水を引き、常に堀に水をためておくことで、城の防御も強化されたと考えられる。築かれた時期は、石垣の形状から、現在の城が建てられた江戸時代初頭と推測される。
同センターの奥山貴技師(38)は「西側の外堀は自然の川をたくみに利用し、水をコントロールしていたことがわかって興味深い」と話している。
22日午前10時30分から現地説明会を開く。小雨の場合は開催。問い合わせは同センター(079・252・3950)へ。