恋愛の和歌からAIが絵を描く…デジタルアートの展示会 主催者「NFTを活用し社会課題の解決に」
「思ひつつ 寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを」
これは平安時代の歌人、小野小町が愛する人を思って詠んだ歌。この歌をテーマに作られたデジタルアート作品は、なんとAIが描いたという。
名古屋市名東区のマンション「Grande Souche Kamiyashiro(グランドスーシュ上社)」の一角にあるイベントスペースで開かれている「Non Fungible Chronicle(ノン・ファンジブル・クロニクル)」。NFTのアート作品が展示されている。
「NFT」とは暗号資産とは異なり、コピーできない独自の価値を生み出すトークンのことだ。NFTのリアルなイベントは最近増えてきているが、名古屋での開催や今回のようにファミリーで参加できたり、地域に密着した会場で行われるのはまだ珍しい。
ただ、来場したのは地元の人だけでなく、国内では北は北海道、南は九州から、またアメリカや台湾から来た人もいたといい、関心は広がっていることがわかる。
週替わりで展示されている約150人のアーティストの作品は全てNFTで、デジタルアートとしてオープンシーというNFTのプラットフォームで売買されている。
メインアーティストの1人は、「19(ジューク)」としても活躍した「326(ナカムラミツル)」さん。愛に溢れたメッセージが添えられた37作品がデジタルサイネージに次から次へと表示されていく。
会場が名古屋ということもあり、金のしゃちほこやエビフライをモチーフにしたキャラクターも登場していた。
もう1人のメインアーティスト、窪田望さんの作品はAIを使った最先端の技術が使われている。
窪田さんが開発した、文字を入れるとAIが自動的に絵を作ってくれるシステムを使って、今回は小野小町らが「恋愛」をテーマに詠んだを元に作ったアート5枚が展示されている。
テーマは同じ恋愛を謳った和歌でも、色彩は赤にピンクに白。濃淡も異なり、人や建物のようなものが描かれているものもあれば、そうでないものもあり、それぞれに違った印象を受ける。
また、会場ではワークショップも開かれていて、自分が描いた絵がデータ化されて後日、1枚のモザイクアートにしてNFT化し、チャリティーオークションにかけることにしている。売上は子供の教育に活用してもらうため、名古屋市に寄付する予定だ。
この絵画の中にあったのが、EXILEの関口メンディーさんの作品。イベントの趣旨に賛同して来場し、絵を描いていったという。
イベントを主催している「Media DAO(メディアダオ)」の代表・かねりんさんは「NFTの活用は多分、まだ全体の1%もされていないと思う。こうしたイベントでたくさんの人に興味を持ってもらって、ビジネス化や社会課題を解決していきたい」と話している。
イベントは名東区上社グランドスーシュ上社で、8月26日(金)27日(土)28日(日)の11時から18時半まで開かれる。
またメタバース上にも名古屋城をモチーフにした会場があり、約200の作品も楽しめる(メタバース会場は8月31日23時59分まで)。
(東海テレビ 報道部WEBニュースデスク 佐藤岳史)