コロナ禍以後「植物」が「ペット」として扱われている…植物の「無能化」が大きく関わっていた
「ペットは家族」という認識は近年すっかり一般的になりました。
子どもの頃から犬と暮らしてきた僕にとって、今飼っている4代目の愛犬ナイスくん(オーストラリアン・ラブラドゥードル)は言うまでもなく川原家の一員です。
また、川原家には動物の商いを代々続けてきた家系があります。僕の大叔父(祖父の弟)を祖とする親類一家は、ペットショップやペットクリニック、動物園などを営んでいます。住まいも近かったので、川原少年にとって動物とのふれあいは大切な遊びのひとつでした。
そんな生活環境も影響してか、僕はペット産業にも強く興味関心を抱くようになりました。
先駆形態として、いずれその潮流は園芸産業にも影響を与えるのではないか?
ペットがいかにして「家族」になったかを知ることは、植物と人間の未来を考える上での視座を高めてくれると思い、ペット産業の観測を始めました。
2011年から毎年春先に、東京国際展示場で「インターペット」というイベントが開催されています。日本最大級のペット産業見本市で、「人とペットのより良いライフスタイルを提案する」というコンセプトのもと、最新の製品やサービスが一堂に会するこのイベントで、僕はペット産業を定点観測しています。
展示はフード・ファッション・アクセサリー・インテリア・レジャーなどの製品から、美容・健康・介護・医療・供養・保健などのサービスまで幅広く網羅しています。
近年のトレンドは「ヒューマングレード」。
オーガニックや無添加食品は序の口で、低脂肪肉や発酵食品も珍しくはありません。健康診断は年2回が推奨されていますし、フィットネスジムや酸素カプセルまであります。家族どころか人間以上に手厚い待遇のサービスが揃っています。
数十年前のペットイメージを抱く方にとっては、俄かに信じがたい光景かもしれません。