• Online Tools
  • - Calculators
    • Character Count
  • - Download
    • TikTok Download
    • DouYin Download
  • - Web Tools
    • BASE64
    • Base64 to Image
    • Image to Base64
    • URL Encoding
    • JavaScript
    • Timestamp
    • Unicode Converter
    • JSON Format
    • Modify Extension
    • Make List
    • CSS Optimizer
  • - Encryption Tools
    • MD5 Encryption
    • Random Generator
  • - Image Tools
    • Image Compression
    • QR Code Generator
    • QR Code Reader
    • Wallpaper Preview
    • Image EXIF
  • - Info Sheets
    • Blood Type Heredity
    • Clothing Sizes
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
90年の孤独。清水穣評「ゲルハルト・リヒター展」
2022-11-16
90年の孤独。清水穣評「ゲルハルト・リヒター展」

 「回顧展」と思いきや、訪れた観客を迎えるのは、最後のアブストラクト・ペインティング群(以下、AP)である。そして続くどの部屋でも、最後ないし最新の作品(APとドローイング)が、それぞれに過去との距離を測っている。これが、リヒター自身が関わったという展示のコンセプトのようだが、もう少し細かく見ていこう。


 APのルーツはフォト・ペインティングである。雑誌や広告の写真、家族のアルバムから採った凡庸なスナップ写真を丁寧に描き写したうえで、ブレやボケや拭き取りといった痕跡を加えるこのシリーズは、ボケた画像の彼方に、本来ピントが合うはずであった平面(=投影面、スクリーン、レイヤー)を意識させる(=「シャイン」を発生させる)ものである。したがって形式的には、シリーズの純粋な骨格を抽出した1967年の《4枚のガラス》(CR160)で極相に達する。そこでリヒターは、「大ガラス」の作者(デュシャン)に導かれるように、カラーチャート(絵画の即物的起源としての「絵具のチューブ」の代替物)へ向かい、レイヤーに対立する要素としての「筆跡」によって写真を描き写す「都市図」(都市の輪郭が空爆のように破壊される含意もある)や、ブレ・ボケを極限にして画像を投影面に溶解させる「グレイ・ペインティング」などを経て、APへと移行し始める。それは、具象に頼ることなく、絵具からじかにシャインを発生させるためであった。


 ここには、リヒター自身の一種の抑圧が垣間見える。そもそも、フォト・ペインティングが描かれた年代とは、アイヒマン裁判とフランクフルト・アウシュヴィッツ裁判によって、いまさらのようにアウシュヴィッツが回帰し、その陰惨な映像が広く流通して(いわば「悲惨のポルノ」として)消費された時代であった。またこの時代は冷戦下の戦後ドイツ人が、消え去らない過去を見て見ぬ振りをした、疚しい抑圧の時代である。戦後の「明るい」消費生活と思い出したくない戦前を写したリヒターの写真は、まさにこの抑圧にふれていた。そのときAPは、トラウマの源たる具象自体を切り離そうとしたのである。


 1976年に始まるAPは、最初は、抽象的なスケッチの写真を拡大して油絵に描いたフォト・ペインティングであった(第1期)。年代にかけて、APは写真から脱却し、キャンバス上で様々な筆跡やストロークが乱舞する段階を経て、80年代半ばからスキージによる描法が導入される。スキージの効果は90年代にかけて支配的になっていき、面Aにそれと異なる質の面Bを重ね、A/Bの落差からシャインを発生させる方法論をもって、92年頃、ひとつの完成形に達する(第2期)。その後2000年代にかけて、この完成形は徐々に絵具の物質性を捨て去り、まずカラーミラー、次にガラス立体、そしてデジタル作品のストリップに至って極相に達する。その後、リヒターはしばらくAPを描かなかった。2014年、過去50年にわたり、取り組んでは手を引いてきたアウシュヴィッツという主題を、《ビルケナウ》連作によってついに描き上げた解放感のなかで、APが再開される(第3期)。これは、第2期プロセスの直前の段階に戻って、ガラスという極相に通じない別の道を模索するものだったが、リヒターは2017年に油絵の制作をやめる。わずか4年間に描かれた最後のAPが本展の導き手なのである。


 観客を迎える巨大な第1室、左手前の第2室、左奥の第3室を見てみよう(番号は本稿内での便宜的なもの)。第1室の中央にはガラス立体《8枚のガラス》(2012)が据えられ、それより奥は文字通り最後のAPの空間、手前の空間も、左壁の大部分と右壁の半分が第3期のAP(2016)で占められている。それ以外の5点はAP(2000)、《黒、赤、金》(1999)、AP(1992)、カラーミラー《鏡、血のような赤》(1991)、そしてグレイペインティング《樹皮》(1973)で、そこから2つの関係が読まれる。まず《黒、赤、金》と《樹皮》以外の3点は、上述の通り、最新のAPが切り離した過去である。そして両作品が、そのAPの引き金を引いた《ビルケナウ》(第2室)へと誘導する。前者は90年のドイツ再統一後、リニューアルされた国会議事堂の玄関ホールのために委嘱された作品の小品だが、それは、アウシュヴィッツを描くという最初のプランが放棄された後の代替案であった。後者は、ジョルジュ・ディディ=ユベルマンが《ビルケナウ》を論じた際の重要概念のひとつで、それに刺激されたリヒターは、もともと無題だったグレイ・ペインティングにこの題名を与えた。こうして、第1室で本展の主役とその過去を目にした後、我々は第2室の《ビルケナウ》のインスタレーションへと足を踏み入れる。


 《ビルケナウ》はアウシュヴィッツで盗撮された4枚の写真を描き写したフォト・ペインティングを(ブレ・ボケの代わりに)白黒赤緑の4色で塗り潰してできた4枚のAPに、細いスリットで十字形に4分割された4枚のデジタルコピーがそれぞれ正対する、インスタレーションである。APとはレイヤーの縦横無尽の積層プロセスにほかならないから、4枚の写真絵画は、何重ものレイヤー(=樹皮)で覆いつくされている。それをリヒターは、正対する鏡に見立てたデジタルコピーに変換し、それを4分割することによって最後のレイヤー(4つの部分を横断する透明な面)を発生させる。最後の、というのは、これ以上何分割しても発生するレイヤーは変わらないからである。我々は《ビルケナウ》──アウシュヴィッツという長年の「負債」を返しきった作品──が、リヒターの「一生のテーマ」を終わらせたことを知るとともに、シャインの発生が、リヒターにとって何を意味していたのかをも理解する。あらゆる映像に向けて開かれた透明な面の発生、それは、トラウマ的な出来事が起こらなかったかもしれない過去の、すなわち未だ無垢のスクリーンの、召喚なのである。


 やや呆然としながら、最新作を含まない(2007年制作の《4900の色彩》は、70年代のカラーチャートの拡大版である)第3室に移ると、そこはリヒター芸術の「過去」、つまり「一生のテーマ」「シャイン」の部屋である(グレイ・ペインティング、鏡面それ自体をレディメイドの鏡によって表現したミラー、ブレ・ボケのかわりにモザイク処理を用いたカラーチャート、そして、灰色のAP(2000)は、APがそもそもグレイ・ペインティングの延長線上に発生したことを示す)。


 ノスタルジーの第3室の後に続く部屋では、すでに役割を終えた最後のAPが、次々と走馬灯のように現れる過去の作品群と対峙する。家族の肖像の部屋では、息子「モーリッツ」の肖像に執拗に傷跡が付けられ、家族写真に基づくオイル・オン・フォトでは、《ビルケナウ》と同じ白黒赤緑の絵具が擦り付けられている。「モーリッツ」を描いた直後、長年の予感を確かめるためにリヒターは遺伝子検査を受け、ホルスト・リヒターが自分の生物学的な父ではなかったことを知る。「家族」もまた、古傷のひとつであった。90歳を迎えた芸術家にとって、その家族と別れるときは迫っている。そんな孤独な静謐感をたたえた最新のドローイング群に見送られて、我々は会場を後にする。


 *


 さて、あえて不満な点を挙げれば、照明の色味が暖かすぎ、そして《ビルケナウ》のインスタレーションにとって本質的な、絵画作品とその写真バージョンの正対関係が不完全だったことである。10月半ばから巡回する豊田市美術館での展示が楽しみである。

(『美術手帖』2022年10月号、「REVIEWS」より)

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/20ffadc3a35960db9eb0d36e8126c7883e8f9217

Other Tools
  • Character Count TikTok Download DouYin Download BASE64 Base64 to Image Image to Base64 URL Encoding JavaScript Timestamp Unicode Converter JSON Format Modify Extension Make List CSS Optimizer MD5 Encryption Random Generator Image Compression QR Code Generator QR Code Reader Wallpaper Preview Image EXIF Blood Type Heredity Clothing Sizes
  • 英国を代表する作曲家ブリテンが世界平和を願って作った『戦争レクイエム』【クラシック今日は何の日?】
    2024-05-29

    MURAKAMI × Liquem 夢のコラボアクセが再登場☆|長山智美 デザイン狩人
    2024-05-30

    制作期間「足りていなかった可能性」
    2024-05-31

    古本屋を巡り、顧みられなくなった作品、作家を生き返らせた九大大学院教授没後20年 教え子や研究仲間を支える「清新な光景」
    2024-05-30

    “家形埴輪”大集合、総選挙も 「住宅展示場の気分で」、奈良
    2024-06-01

    杉真理×和田唱がビートルズをとことん語る!NHK-FMの人気番組「ディスカバー・ビートルズ」がオンライン講座として復活!
    2024-06-02

    元アシスタントが語る Dr.スランプ「あのキャラ」の誕生秘話
    2024-06-01

    三姉妹が温泉旅行で取っ組み合いの大げんか うっとうしくてめんどうくさい家族愛描く「お母さんが一緒」
    2024-06-02

    日本の「木」の文化を家具を通して世界へ【ミラノデザインウィーク】
    2024-06-01

    ポール・オースターの名言「けれどオニオンパイの味は…」【本と名言365】
    2024-06-02

    大阪はアートとデザインの街となるか? Osaka Art & Design 2024の見どころをレポート
    2024-06-03

    「工芸的美しさの行方―うつわ・包み・装飾」が東京と京都で開催。第1弾はBONDED GALLERYにて7月から
    2024-06-03

    道後温泉の記憶を継承するアート 大竹伸朗が“描き”重要文化財を守ったテント膜「熱景」の再生
    2024-06-03

    中国でドラえもん映画が興行首位 国際こどもの日に12億円
    2024-06-03

    社会的関与の芸術。清水穣評 城戸保「駐車空間、文字景、光画」展/野村浩「Painter」展
    2024-06-04

    「KOTARO NUKAGA(天王洲)」が移転し拡張。約386平米の巨大スペースに
    2024-06-05

    横山奈美の個展「広い空に / Big Sky Mind」がN&A Art SITEで開催へ
    2024-06-05

    多摩美術大学がAIやサーキュラーなど5つの最先端のテーマを研究するプラットフォームをスタート
    2024-06-04

    第55回星雲賞・自由部門に「巨大ロボット展」 日本SFファングループ連合会議
    2024-06-05

    パートナーとの強い絆から生まれた、ベンジャミン・ブリテンの代表作【クラシック今日は何の日?】
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛