坂本龍一さんも参加していた「ダムタイプ」の展覧会がアーティゾン美術館で開催中
2020年、現代美術の国際展ヴェネチア・ビエンナーレで披露されたダムタイプの新作《2022》は、我々が生きる「空間」や「現実世界」への興味を新たに想起させる作品だった。象徴的なのは、壁面に投影されたテキストと環境音。前者は、1850年代の米国の地理の教科書から引用した「地球とは何か」といった質問形式のもので、地球を外から見たことがなかった時代における世界の認識方法を示唆する。後者は、ダムタイプの一員として参加した坂本龍一の呼びかけにより世界各地でフィールドレコーディングされた音と朗読からなるもの。超指向性スピーカーを回転させて音像を放つことで、鑑賞者の耳元に音が急に現れたり消えたりといった、奇妙な体験を誘発する。
今、アーティゾン美術館では、本作を再配置している。ヴェネチアでの展示は会場の日本館──天井と床に四角い穴が開いた特殊な空間を前提に制作されたものだったが、今回どう再編したのか。その点も見どころだ。
『第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap』
会期:~ 5月14日(日)
会場:アーティゾン美術館 6階展示室
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
BY MASANOBU MATSUMOTO