「ガウディとサグラダ・ファミリア展」が6月から東京国立近代美術館で開催。“未完の聖堂”に見るガウディ建築の真髄とは
巡回展は、滋賀会場は9月30日~12月3日に佐川美術館、愛知会場は12月19日~2024年3月10日に名古屋市美術館で開催予定だ。
サグラダ・ファミリアに焦点を絞り、ガウディの建築思想と造形原理を読み解いていく本展は、その建設のプロセスを明らかにする。
ガウディは聖堂の設計にあたり、膨大な数の模型を作ることで構想を練り上げていったという。模型の修正を繰り返すことで聖堂のかたちと構造を探った、ガウディ独自の制作方法に注目したい。
また、140年を超える長大な建設の過程には、ガウディだけでなく数多くの人々が関わってきたことも忘れてはならないだろう。本展ではこの聖堂建設プロジェクトの発端から変遷、さらにガウディ没後にプロジェクトを引き継いだ人々の創意工夫にも光を当てる。
ガウディはサグラダ・ファミリアにおいて、聖書の内容を表現する「降誕の正面」を飾る彫像も自ら手掛けた。さらに外観・内観の光と色の効果や、建物の音響効果にも工夫を凝らし、諸芸術を総合する場として聖堂を構想した。本展ではこうした総合芸術志向にも着目する。
100 点を超える図面や模型、写真、資料、最新の映像が並ぶという本展。ガウディ建築の複雑かつ豊かな世界に触れることができる、絶好の機会だ。