まるで星の王子さま!? 広大な砂漠に佇む「1本の木」を捉えた写真がエモい
カリム・アムルはその作品を通じて、エジプトにおける砂漠の風景を、雰囲気のある抽象的なものに変換している。どこまでも続く砂丘がフレーム全体を埋め尽くし、平坦なレイヤーの連続となり、風にさらされた砂の質感を表現する。ある画像では、はっきりとした色のブロックで区分されていた地平線が、他の画像では、柔らかな色合いのかすんだグラデーションとして穏やかにフェードアウトする。
この写真シリーズの発表は、パリで開催の展覧会「星の王子様と出会う(an encounter with the petit prince)」のオープニングと重なり、タイムリーなものとなった。
この展覧会では、小説家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのオリジナル原稿と絵を展示している。アフリカの砂漠で過ごした時間が、その作品と人生を大きく変えたサン=テグジュペリは、「これは世界でもっとも愛おしく、もっとも悲しい風景だ」と語っている。
サン=テグジュペリのスケッチは、最小限の線と、何もない空間が印象的だ。それは、カリム・アムルによる風景の表現と響き合うものだ。
プロジェクト情報:
作者:karim amr | @krimamr
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