司馬遼太郎さん生誕100年イベント 東大阪市で開催 思い出のエピソード尽きず
イベントは9日夜に行われ、司馬さんの義弟で、司馬遼太郎記念館の上村洋行館長(79)が「司馬遼太郎と大阪」をテーマにエピソードを披露した。
なぜ、司馬さんが大阪市内から東大阪へ移り住んだのか-。司馬さんと同じ産経新聞記者だった上村さんは「新聞記者ですから、閑静な場所よりも、ざわざわした雰囲気のほうが物事を考えやすい」と解説。喫茶店や映画館、理髪店など「都市の機能がそろっていた」とも説明し、電話番号の市外局番が「(大阪市内と同じ)06だったのもある」との説も語った。
司馬さんは自宅周辺を夫婦で散歩するのが日課で、上村さんは「歩いているときも物事を考えていた」と振り返り、司馬さんが考え事をしていて車と接触した交通事故にも触れた。このほか、司馬作品が「過去から現在、未来へのメッセージと感じる人の声は多い」と感謝した。
続いて関西フィルハーモニー管弦楽団メンバーらによるミニコンサートも開かれ、司馬さん原作のNHKドラマ「坂の上の雲」の主題歌「スタンドアローン」などが演奏された。
命日の来年2月12日には市文化創造館大ホールで「菜の花忌シンポジウム」を開催。参加費1千円で、参加申し込みは司馬遼太郎記念館へ。