法隆寺壁画片など、奈良の発掘成果700点 4年ぶり、橿考研博物館
機関の壁を越えた全県的な速報展として全国でも草分け的な展示で、今回は4年ぶりの開催。県北部中心の前期(8月7日まで)と県南部の後期(同11日~9月11日)で計58遺跡(19市町村)、約700点を展示する。
前期は斑鳩町の史跡・法隆寺旧境内で新たに出土した創建当時の法隆寺(若草伽藍(がらん))の壁画片や、大和郡山市の郡山城の二の丸屋形で初めて出土した金箔(きんぱく)瓦などを展示。日本書紀では若草伽藍は670年に焼失したとされており、04年に初めて壁画片が見つかった際に大きなニュースとなった。
また秋篠阿弥陀谷横穴墓群(奈良市)でほぼ完全な形で出土した陶製の棺おけ(長さ約176センチ、幅約57センチ、高さ約54センチ)や、通常の発掘調査では廃棄される戦時中の遺物など、考古学ファン以外に分かりやすい出土品も展示。発掘担当者による講演なども予定している。
午前9時~午後5時。月曜と7月19日休館。入館料は大人400円、大学・高校生300円、小中学生200円。問い合わせは同博物館(0744・24・1185)。【稲生陽】